プロフェッショナル魂 (第6回)
ソニー生命で働く「人」にスポットをあて、仕事にかける“思い”などについて語ってもらう連載企画「プロフェッショナル魂」。
今回は仙台ライフプランナーセンター第2支社の佐藤一広が登場。エグゼクティブ ライフプランナーのなかでも社内外からの講演依頼がひときわ多く、若いライフプランナーからの絶大な信頼を集めている佐藤が、「ライフプランナー論」を熱く展開します。
保険は手段であって、目的ではない
社内で「ザ・ライフプランナー」と言われていますね。
佐藤 : ライフプランナーになって17年が経ちますが、一貫して私は「ライフプランニングや保険設計の目的はお客さまの経済的安定である」という考えです。保険を売るのはあくまで手段であって目的ではない。
金融のプロとして、お客さまの経済的安定のためにライフプランナーはなにができるのか。つねに自問自答しながら、自分の思い描く理想のライフプランナー像を目指して無心でやってきたことが実績になり、評価されました。その結果、多くの仲間が私のスタイルに興味を持ってくれて、たとえば那覇支社の我如古ライフプランナー(第2回の「プロフェッショナル魂」に登場)からは「ザ・ライフプランナー」というありがたい称号をいただきました。
私は「ソニー生命は保険業界を変える会社」という、大きな理念に感動してライフプランナーになりました。お客さまの人生そのものに寄り添い、深く関わることができて、「こんなやりがいのある仕事はほかにない」と、今でも思います。
17年間で自分のスタイルを作り上げた実感がありますが、最初から今と同じスタイルだったわけではありません。当初はお客さまに「今どんな保険に入っていますか?」「今の保障で安心できますか?」などお決まりの文句で切り出していました。でもこれって保険を売らんがためのトークであって、お客さまが、より安定したいい人生を送るための言葉ではないと気付いたのです。
ですから今は、最初にお客さまに会うときは保険の話は一切しません。まず「ライフプランナーとはこういう仕事なんですよ」と、この仕事を知ってもらうんです。そしてお客さまが今後、どのような人生を送っていきたいかを聞き、生活を安定させて、その先どうやってお客さまの夢を実現していくかという話から入るのです。だからお客さまに「イメージしていた保険の営業と違った!」と、いい意味で驚かれることが多いですね。
一人のお客さまに4回面談して人生の設計図を作る
「佐藤流セールスプロセス」を教えてください。
佐藤 : ライフプランニングは「お客さまの未来への思いを聞き、それを数値化することによって目に見える形にする」ことで、お客さまが安心して、自分のこれからの人生に希望をもって歩んでいけるようにするのが目的です。そのためにお客さまとの面談は4回。これが私のスタンダードです。
1回目はライフプランナーという仕事を理解していただくことと、お客さまの将来について、どんな暮らしや人生を送りたいと考えているかを話してもらうことがメイン。そしてお客さまが描くライフプランを実現するためにどのくらいのお金が必要になるのか、数字に変えてシミュレーションします。
2回目はお客さまの抱えている課題を的確につかみ、現状を検討し、具体的な改善策を提案。3回目にお客さまの要望を伺いながら、目の前でお客さまが描くライフプランを万一の事があっても実現する為の設計図(保険設計)をお客さまと一緒に作っていくのです。それでご契約希望ということになれば、4回目は申込や診査の手続になります。
私は、お客さまに合ったオーダーメイドの保険を設計するためには、お客さまが自分や家族のことを、夢や希望はもちろん不安や心配までも、安心して私に話してくださることがとても重要だと思っています。だから質問形式ではなく、自分の話もたくさんするんですよ。「私は子どもの教育はこう考えているんです」「私が31歳で家を買ったときは、こんな考えでしたね」など。そしてそのあとに「で、お客さまはどう考えていますか?」と続けて、お考えを伺うのです。
「老後って、いまよりも自由な時間が増えるから、どうやって過ごしますかねえ」なんて言いながら、お互いに将来についての希望や考えを話すうちに、話が盛り上がってくるんですよ。最初はかたい表情だったお客さまも2時間後には表情がまったく違ってきて、「ものすごく楽しかった。なんかワクワクしたよ」って言ってくださるんです。そして「今まで、自分の人生をここまで具体的に考えたことがなかったけど、こうやって考えるのって大事だね」って。
こういうふうに、お客さまの人生を考える仕事は他に、なかなかないと思います。だから私は毎日毎日、「やりがい」を感じているんです。とても幸せですね。
ワークライフバランスも大切
一日に何軒くらい訪問しますか?
佐藤 : 平日は4軒くらい、土日などは5軒になることもあります。今、私が担当するお客さまは約3,000人ほどいらっしゃるので、どうしても休みは少ないです。5軒目になるとすでに夜の7時を過ぎています。一生懸命話しすぎて、ヘトヘトになるときもあります(笑)。
でもライフプランナーは週に2日の出社日以外はスケジュールを自分でコントロールできますので、オンとオフの時間をバランスよく調整しています。週に2、3回はスポーツジムで体を鍛えていますし、ゴルフも年間で30ラウンドは楽しみますから。
土日は、自由に使える時間は少ないですが、そのぶん、平日はお客さまの訪問の合間に、妻と買い物をしたり、帰りに一緒に食事をしたりと、オフの時間をつくるようにしています。
仕事ばかりで体を壊してしまったら、元も子もありません。ワークライフバランスを考えるのってとっても大切なこと。自分が仕事もプライベートも充実感をもっているので、その視点がお客さまとのお話にも生きていると思いますね。
「保険はライフプランナーから入る」という世の中にしたい
将来の夢を教えてください。
佐藤 : ライフプランナーという専門職を世の中にもっと確立したいです。医者や弁護士のように、その専門性を持っていることに意味があり、信頼を得られる職業として知られる世の中にしたいというのが夢ですね。
今は「手続が簡単」「気軽」「安い」を重視した保険の新しい形態も注目されていますが、私はやはり「保険はライフプランナーから入ったほうがいい」という考え方を広めていきたいのです。
楽しく話しながら、頭の中では冷静に分析
ライフプランナーとしての「プロフェッショナル」とは?
佐藤 : どの分野でも「人がそうそう真似できないことをする」のがプロフェッショナルだと思いますね。私のライフプランニングでは、お客さまが安心してお話できるように、楽しく会話を弾ませながら、同時に頭のなかの別のところで、冷静になってお客さまのライフプランに「どんな課題があるか」「その改善策や解決策はなにか」を並行して考え、適切な分析と提案をしながら、必要な情報を提供していきます。
これって、言うのは簡単だけど実はすごく難しいことなんですね。ライフプランナーの仕事は難しいです。簡単になれるものではない。でもだからこそ価値があるし、そうでなければプロフェッショナルではないと思います。
支社内、佐藤のブースにて。尊敬する矢沢永吉さんの生き方は、佐藤の人生のバイブルです。
仙台城、通称 青葉城(あおばじょう)から見た「杜の都」仙台市の風景。街路樹など緑が豊富です。

陸奥仙台藩の初代藩主、伊達政宗の騎馬像。青葉城の天守台から、仙台市を見守ります。
※文中の所属、役職等の情報は2014年8月29日時点のものです。