ニュースリリース(平成30年度)
子どもの教育資金に関する調査2019
2019年2月28日
このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 萩本 友男)は、2019年1月12日~1月16日の5日間、大学生までの子どもがいる20歳以上の男女に対し、今年で6回目(※)となる「子どもの教育資金に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
※2014年~2016年は「子どもの教育資金と学資保険に関する調査」として発表
調査結果 概要
- 学力と教育費 親の6割半が「子どもの学力や学歴は教育費次第」と感じる
- 親の7割弱が「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ」と考える
- 教育費が家計を圧迫 親の6割半が「教育費の負担が重い」と感じる
- 「幼保無償化」今年10月から始まる 未就学児の親の8割半が「政府の掲げる教育無償化に賛成」
- 「夫婦間で教育方針が一致」既婚者の8割強
- 「子どもの教育のことが原因で夫婦喧嘩をよくする」既婚者の2割強
- 「子どもの学校生活に不安を感じる」未就学児の親の6割半
- 「子どものネット・SNS利用に不安を感じる」未就学児の親の7割超
- 親の大半が子どもの進学や就活を不安視する傾向 「子どもの受験・進学に不安を感じる」母親の8割
- 「子どもの教育資金に不安を感じる」親の7割強
- 教育資金に不安を感じる三大理由 「必要額が不明」「収入の維持・増加に自信なし」「消費税増税」
- 小学生から社会人になるまでに教育資金はいくら必要? 平均予想金額は1,339万円、上昇傾向一服
- 学校外教育費年々増加 平均支出金額は15,170円/月、中高生の平均は21,020円/月
- 小学生の親の3割半が「子どもの携帯・スマホ料金」に支出
- 子どものおこづかいの平均月額 小学生1,807円 中高生5,333円
- 子どもの進学費用のための準備 平均支出額は17,474円/月 昨年より2,037円増加
- 大学等への進学のための教育資金 親の5割が「学資保険」で準備
- 「多少費用がかさんでも大学等へ進学させたい」親の8割半
- 「多少費用がかさんでも海外留学や海外研修を経験させたい」親の6割、グローバル志向が多数派に
- 「子どもには自宅から通える学校を選択させたい」母親の6割
- 「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい」親の5割半、「学業に専念してほしい」は少数派
- 親の7割弱が「プログラミング教育の導入」に対して期待
- 「プログラミング教育でIT機器に触れる時間が増えることは良いことだと思う」親の7割半が肯定
- 「プログラミング教育は論理的な思考力を養うために役立つと思う」親の7割が教育効果を期待
- 「プログラミング教育の必修化に備えて、家庭で準備を行っている」小学生の親の3割弱
- 小学生の3割が「子ども向けプログラミング言語を用いたプログラミング」を体験済み
- 子どもに目指してほしい“理想の大人”は「イチローさん」「大谷翔平さん」、歴史上の人物では「坂本龍馬」
- 子どもに将来就いてほしい職業 「公務員」がダントツ、女子の親では医療関係が人気
【教育や教育資金に関する意識】
【子育て・教育に関する支出の実態】
【大学等のための教育資金準備・学生生活にかかる費用に関する意識】】
【プログラミング教育に関する意識】
【子どもに目指してほしい理想の大人・就いてほしい職業ランキング2019】
アナリストのコメント
(ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社 金融市場調査部 シニアアナリスト 石川 久美子)
今回の調査では、教育に対する意識や理想の高さと現実とのギャップが浮き彫りとなりました。
子どもの学力や学歴について、教育費次第であるとの回答が6割を超え(図1)、早期教育や習い事の重要性を認識し(図2・3)、また「多少費用がかさんでも進学させたい」「海外留学や海外研修を経験させたい」とする向きが非常に多かったのが印象的でした(図24・26)。総務省の発表する家計調査報告(2018年平均)によると、2人以上の世帯の可処分所得は対前年比で実質ベースでは▲0.4%、消費支出は▲1.5%となっている一方、消費支出の項目の中における「教育(授業料や補助教育費用)」は+5.4%。実質ベースで可処分所得が少なくなり、消費そのものを圧縮しつつも教育費用を増加させるという、親サイドの意識の高さをうかがわせます。本調査でも、子どもの進学のための準備としての支出が年々増加していることが明らかになっています(図21)。
しかし、可処分所得の実質減の中での教育資金増額はやはり負担が大きいのか、本調査でも全体の7割以上が将来の教育資金について不安を感じています(図12)。なかでも、「未就学児」を持つ親が、特に「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」という部分に強く不安を覚えているようです。初期段階では先行きが不透明過ぎて、教育資金の十分・不十分の判断ができないという点が大きな不安につながっていると考えられます。実際、この不安は子どもの年齢が上がるにつれて低減し、「大学生等」になると約36%まで下がっており(図13)、教育の「終わり」が近づくにつれてプレッシャーが軽くなっています。
ただ、そうは言っても完全に不安を拭い去ることは難しいようで、子どもの学生時代のアルバイトについての質問では、55.1%もの回答者が「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい」との意向を示すなど、「親の弱気」具合が顕著です(図28)。また、子どもの学校への通学についての質問で、特に父親は「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせても良い」が51.4%であった一方、母親は60.2%が「自宅から通える学校を選択させたい」と回答しました(図27)。母親のほうが心配性……という面もあるかもしれませんが、「自宅から通ってもらったほうが支出が抑えられる」、というよりシビアなコスト感覚が働いている可能性もあります。
この他、「子どもに目指してほしい“理想の大人”のイメージに合う歴史上の人物」の上位3位は坂本龍馬、徳川家康、織田信長と、新たな時代を切り拓いた偉人が挙げられている(図38)一方、子どもに就いてほしい職業は「公務員」が断トツの1位であった点も面白いですね(図39・40)。高い理想と期待はありながらも、子どもには安定的に仕事をしてほしいという親心を感じます。
アンケート調査結果
- 学力と教育費 親の6割半が「子どもの学力や学歴は教育費次第」と感じる
- 親の7割弱が「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ」と考える
はじめに、大学生までの子どもがいる20歳以上の男女1,000名(全回答者)に、子どもの教育や教育費についての項目を提示し、自身の考えがどの程度あてはまるか聞きました。
まず、≪子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じる≫では「あてはまる(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は64.0%となりました。子どもの学力・学歴はかけられる教育費次第だと考える親が多いようです。 (図1)
次に、≪早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ≫では「あてはまる(計)」は67.9%となり、子どもが幼いうちから物事を考える力を育てたり、子どもの才能を伸ばしたりする教育を重要だと考える親が多いことがわかりました。 (図2)
他方、≪スポーツや芸術の習い事よりも学習塾に教育費をかけたい≫では「あてはまる(計)」は40.6%と半数以下となりました。子どもの将来や様々な能力開発などのために、習い事を重視する親が多い実情が明らかになりました。 (図3)
(図1)(図2)(図3)
- 教育費が家計を圧迫 親の6割半が「教育費の負担が重い」と感じる
- 「幼保無償化」今年10月から始まる 未就学児の親の8割半が「政府の掲げる教育無償化に賛成」
全回答者(1,000名)に、教育費の負担感について聞いたところ、≪子どもの教育費の負担を重いと感じる≫では「あてはまる(計)」は66.6%となりました。子どもの教育費が家計に与える影響は大きいようです。
子どもの就学段階別にみると、「あてはまる(計)」は就学段階が進むほど高くなり、未就学児の親では54.4%でしたが、大学生等の親では82.1%と親の大半が同意しました。 (図4)
幼児教育・保育の無償化が2019年10月から始まり、高等教育の無償化は2020年度からスタートする予定となっています。
そこで、政府が進める教育無償化に関する意識を聞いたところ、≪政府が掲げる教育無償化には賛成だ≫では「あてはまる(計)」は72.6%となりました。教育無償化を待ち望む声は多いようです。
子どもの就学段階別にみると、未就学児の親では「あてはまる(計)」は85.1%となり、他の就学段階の親よりも高くなりました。 (図5)
(図4)(図5)
- 「夫婦間で教育方針が一致」既婚者の8割強
- 「子どもの教育のことが原因で夫婦喧嘩をよくする」既婚者の2割強
続いて、配偶者がいる人(943名)に、夫婦間の教育方針について聞きました。
まず、夫婦間で教育方針は、一致しているか、異なっているかを聞いたところ、「一致している(計)」は82.0%、「異なっている(計)」は18.0%となりました。子どもの教育に関して、基本的な考えや価値観が一致している夫婦が多いようです。 (図6)
次に、子どもの教育のことで夫婦喧嘩をするかどうかでは、「よくする(計)」は22.3%、「全くしない(計)」は77.7%となりました。
夫婦間の教育方針一致状況別に「よくする(計)」をみると、教育方針が一致している人では19.7%でしたが、教育方針が異なっている人では34.1%と高くなりました。教育に対する基本的な考えや価値観が異なる場合、子どもの教育のことで両者の感情がヒートアップし、夫婦喧嘩につながらないように気遣いが必要なようです。 (図7)
(図6)(図7)
- 「子どもの学校生活に不安を感じる」未就学児の親の6割半
- 「子どものネット・SNS利用に不安を感じる」未就学児の親の7割超
子どもの将来について、親はどのようなことに不安を感じているのでしょうか。全回答者(1,000名)に、子どもの将来に関する項目を提示して、どの程度不安を感じるか聞きました。
まず、子どもの生活面についてみると、不安を感じている親の割合(「不安を感じる(計)」、「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は、≪学校生活≫では55.2%となりました。
子どもの就学段階別に不安を感じている親の割合をみると、未就学児の親では64.5%、小学生の親では62.5%、中高生の親では53.6%、大学生等の親では40.5%となりました。 (図8)
また、≪インターネットやSNSの利用≫では、不安を感じている親の割合は65.3%となりました。インターネットやSNSを安全に使えるか不安という親は多いようです。
子どもの就学段階別に不安を感じている親の割合をみると、未就学児の親や小学生の親で高く、未就学児の親では72.6%、小学生の親では74.6%と7割を超えました。 (図9)
(図8)(図9)
- 親の大半が子どもの進学や就活を不安視する傾向 「子どもの受験・進学に不安を感じる」母親の8割
次に、進路に関する項目についてみると、≪受験・進学≫(対象:子どもが高校生までの親748名)では、不安を感じている親の割合は75.8%、≪就職活動≫では68.7%となりました。
父母別に不安を感じている親の割合をみると、≪受験・進学≫では父親は71.9%、母親は79.7%となり、≪就職活動≫では父親は65.8%、母親は71.6%と、どちらにおいても母親のほうが不安に感じている割合は高くなりました。父親より母親のほうが子どもの進路に不安を感じているようです。
また、子どもの性別で分けて不安を感じている親の割合をみると、≪受験・進学≫では男子の親は80.2%、女子の親は71.4%となり、≪就職活動≫では男子の親は74.4%、女子の親では63.0%と、どちらも男子の親のほうが不安に感じている割合は高くなりました。 (図10)(図11)
(図10)(図11)
- 「子どもの教育資金に不安を感じる」親の7割強
- 教育資金に不安を感じる三大理由 「必要額が不明」「収入の維持・増加に自信なし」「消費税増税」
≪教育資金≫についてみると、「非常に不安を感じる」が26.8%、「やや不安を感じる」が45.8%で、不安を感じている親の割合(「不安を感じる(計)」)は72.6%となりました。受験・進学や就活など子どもの将来に備えるため、必要な教育資金を用意することができるか、不安を感じている親は多いようです。 (図12)
それでは、どのようなことが、教育資金に対する不安につながっているのでしょうか。
教育資金に不安を感じている人(726名)に、子どもの教育資金に不安を感じる理由を聞いたところ、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」が58.4%で最も多く、「収入の維持や増加に自信がない」が37.7%、「消費税10%への増税」が33.7%で続きました。必要な教育資金は子どもの進路や社会情勢などによって大きく変動するため、必要額を事前に計算することができず、不安に感じている親が多いようです。また、今年の10月に予定されている消費税増税を不安の理由に挙げた親も少なくありませんでした。
子どもの就学段階別にみると、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」は就学段階が進むにつれ低くなり、未就学児の親では70.5%でしたが、大学生等の親では35.7%と未就学児の親の半分程度の割合となりました。 (図13)
(図12)(図13)
- 小学生から社会人になるまでに教育資金はいくら必要? 平均予想金額は1,339万円、上昇傾向一服
未就学児の親(248名)に、子どもが小学生から社会人になるまでに、教育資金はいくらくらい必要だと思うか聞いたところ、「1,000万円~1,400万円位」が33.8%で最多回答となり、「2,000万円~2,400万円位」が16.1%で続きました。また、平均予想金額は1,339万円でした。 (図14)
平均予想金額について経年比較をしてみると、2014年1,229万円→2015年1,156万円→2016年1,136万円→2017年1,194万円→2018年1,348万円→2019年1,339万円と、今年は昨年と同水準となり、2017年、2018年と続いていた上昇傾向が一服しました。 (図15)
(図14)(図15)
- 学校外教育費年々増加 平均支出金額は15,170円/月、中高生の平均は21,020円/月
教育費には、習い事や塾など、学校以外の教育に関する費用もありますが、学校以外の教育費にはいくらくらい支出しているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、スポーツや芸術などの習い事、家庭学習、教室学習のそれぞれに1ヶ月あたりいくらくらい支出しているか聞き、それぞれの平均支出金額を合計したところ、15,170円/月でした。
平均支出金額の合計について経年比較をすると、2016年10,240円/月→2017年12,560円→2018年14,260円→2019年15,170円と、学校外教育費の増加が継続しました。 (図16)
子どもの就学段階別に平均支出金額の合計をみると、未就学児の親では9,402円/月、小学生の親では17,877円/月、中高生の親では21,020円/月、大学生等の親では12,333円/月となりました。
平均支出金額の合計について経年比較をすると、未就学児の親(2018年7,471円→2019年9,402円)や小学生の親(2018年15,456円→2019年17,877円)、中高生の親(2018年20,656円→2019年21,020円)で増加したことが明らかになりました。 (図17)
(図16)(図17)
- 小学生の親の3割半が「子どもの携帯・スマホ料金」に支出
- 子どものおこづかいの平均月額 小学生1,807円 中高生5,333円
また、子どもと同居している、子どもが高校生までの親(743名)に、子どもの生活における支出のうち、こづかいや携帯・スマホの料金について聞きました。
まず、≪こづかい≫に支出している親の割合をみると、未就学児の親は16.5%、小学生の親は40.3%、中高生の親は75.7%でした。 (図18)
次に、子どもの≪携帯・スマホの通信・通話料金≫に支出している親の割合をみると、未就学児の親は16.9%、小学生の親は34.7%、中高生の親は80.2%でした。 (図19)
それでは、子どものこづかいへの支出は1ヶ月あたりどのくらいなのでしょうか。 支出している人の平均金額(月額平均)をみると、未就学児の親は601円、小学生の親は1,807円、中高生の親は5,333円となりました。 (図20)
(図18)(図19)(図20)
- 子どもの進学費用のための準備 平均支出額は17,474円/月 昨年より2,037円増加
次に、子どもが高校生までの親、または予備校生・浪人生の親(計755名)に対し、子どもの進学費用のための備えとして、月々いくらくらい支出をしているか聞いたところ、支出金額として「10,000円~14,999円」(18.9%)や「20,000円~29,999円」(18.4%)、「30,000円以上」(20.1%)などに回答が集まり、1ヶ月あたりの平均支出金額は17,474円/月となりました。
過去の調査と比較してみると、「20,000円~29,999円」(2017年13.8%→2018年15.2%→2019年18.4%)や「30,000円以上」(2017年9.9%→2018年15.6%→2019年20.1%)は年々上昇しており、平均支出金額をみると、2017年12,513円/月→2018年15,437円/月→2019年17,474円と、2年前より4,961円、昨年より2,037円/月の増加となりました。 (図21)
(図21)
- 大学等への進学のための教育資金 親の5割が「学資保険」で準備
子どもの大学等への進学費用準備についてみてきましたが、どのような方法で準備している人が多いのでしょうか。
子どもが高校生までの親(748名)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備しているか聞いたところ、「銀行預金」(54.3%)と「学資保険」(50.8%)の2つが多く、銀行預金と学資保険は、いずれも親の半数以上が利用していることがわかりました。 (図22)
続いて、大学生等の親(245名)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備してきたか聞いたところ、「銀行預金」(60.8%)が最も多く、「学資保険」(50.2%)が続きました。 (図23)
(図22)(図23)
- 「多少費用がかさんでも大学等へ進学させたい」親の8割半
- 「多少費用がかさんでも海外留学や海外研修を経験させたい」親の6割、グローバル志向が多数派に
続いて、全回答者(1,000名)に、子どもの大学等への進学に関する意識について、 質問を行いました。
まず、子どもの大学等への進学費用について聞いたところ、「多少費用がかさんでも進学させたい(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は86.3%、「費用がかさむなら進学させなくてもよい(計)」は13.7%となりました。 (図24)
次に、大学等の入学金・授業料等の費用について聞いたところ、「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい(計)」は77.4%、「費用が極力抑えられる学校を選択させたい(計)」は22.6%となりました。進路選択の際、費用よりも子どもの希望を重視している親が多いようです。 (図25)
また、海外留学や海外研修については、「多少費用がかさんでも経験させたい(計)」が59.8%、「費用がかさむなら経験させなくてもよい(計)」が40.2%で、子どもの海外経験のために出費を惜しまない親が多数派となりました。 (図26)
(図24)(図25)(図26)
- 「子どもには自宅から通える学校を選択させたい」母親の6割
- 「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい」親の5割半、「学業に専念してほしい」は少数派
子どもの学校への通学については、「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい(計)」が45.6%、「自宅から通える学校を選択させたい(計)」が54.4%で、自宅通学してほしいと考える親が多いことがわかりました。
父母別にみると、父親では「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい(計)」が51.4%、「自宅から通える学校を選択させたい(計)」が48.6%と、子どもの一人暮らしや寮生活を容認する親が多数派でしたが、母親では「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい(計)」が39.8%、「自宅から通える学校を選択させたい(計)」が60.2%と、自宅から通える学校を選ばせたいと考える親が多数派となりました。 (図27)
子どもの学生時代のアルバイトについては、「アルバイトはせず学業に専念してほしい(計)」が44.9%、「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい(計)」が55.1%となり、子どもにアルバイトをしてほしいと希望する親が多いことが明らかになりました。 (図28)
(図27)(図28)
- 親の7割弱が「プログラミング教育の導入」に対して期待
2020年度から、小学校でのプログラミング教育が必修化され、2021年度には中学校、2022年度には高等学校での必修化が順次行われる予定となっています。
そこで、全回答者(1,000名)に、子どものプログラミング教育に関する考えを聞きました。
プログラミング教育の導入に対して期待と不安のどちらを感じるか聞いたところ、「期待を感じる(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は66.9%、「不安を感じる(計)」は33.1%となりました。また、プログラミング教育で、子どもの将来に役立つ技術が身に付くと思うか聞いたところ、「身に付くと思う(計)」は65.1%、「身に付くと思わない(計)」は34.9%となりました。プログラミング教育に期待している親が多いようです。 (図29)(図30)
次に、自身の子どもを、将来、プログラミング技術を用いる仕事(IT関連等)に就かせたいか聞いたところ、「就かせたいと思う(計)」は43.0%、「就かせたいと思わない(計)」は57.0%となりました。親の半数近くが、プログラミング技術を活かせるIT関連等の職種に関心を寄せる実態が明らかになりました。 (図31)
(図29)(図30)(図31)
- 「プログラミング教育でIT機器に触れる時間が増えることは良いことだと思う」親の7割半が肯定
- 「プログラミング教育は論理的な思考力を養うために役立つと思う」親の7割が教育効果を期待
プログラミング教育で、子どもがIT機器に触れる時間が増えることについては、「良いことだと思う(計)」が75.7%、「良いことだと思わない(計)」が24.3%で、多くの親が、子どもがIT機器に触れる時間が増えることに対して肯定的でした。 (図32)
また、プログラミング教育は、子どもの論理的な思考力を養うために役立つと思うか聞いたところ、「役立つと思う(計)」は69.1%、「役立つと思わない(計)」は30.9%となりました。 (図33)
(図32)(図33)
- 「プログラミング教育の必修化に備えて、家庭で準備を行っている」小学生の親の3割弱
- 小学生の3割が「子ども向けプログラミング言語を用いたプログラミング」を体験済み
続いて、小学生の親(248名)に、子どものプログラミング教育に関する状況を聞きました。
近年、民間のプログラミング教室などで、子ども向けのプログラミング指導が行われるようになりましたが、プログラミング教育の必修化に備えて、家庭で準備(習い事、家庭学習など)を行っているか聞いたところ、「行っている(計)」は26.6%となりました。既に家庭で準備をしている親は少なくないようです。 (図34)
プログラミング教室などで使用される“Scratch(スクラッチ)”や“Viscuit(ビスケット)”などの子ども向けプログラミング言語は、自宅のパソコンやタブレットからも手軽に利用することができますが、自身の子どもが、子ども向けプログラミング言語を用いたプログラミングの体験をしたことがあるか聞いたところ、「ある(計)」は29.8%となりました。 (図35)
また、プログラミングに必要な論理的な思考力を養うことが謳われた玩具やボードゲームなども、数多く販売されるようになりましたが、自身の子どもが、プログラミング的思考を養うための玩具やボードゲームなどで遊んだことがあるか聞いたところ、「ある(計)」は31.9%となりました。 (図36)
(図34)(図35)(図36)
- 子どもに目指してほしい“理想の大人”は「イチローさん」「大谷翔平さん」、歴史上の人物では「坂本龍馬」
全回答者(1,000名)に、自分の子どもに目指してほしい“理想の大人”のイメージに合う有名人や、歴史上の人物について質問しました。
まず、有名人では「イチローさん」(32件)が1位となりました。イチローさんは2015年から5年連続(※)で1位です。以下、2位「大谷翔平さん」(28件)、3位所ジョージさん」(25件)と続きました。
1位のイチローさんを選んだ理由をみると、「自分の意志をしっかり持ち、夢を叶えるため努力しているから」、2位の大谷翔平さんについては、「努力と向上するための思考法を兼ね備え、人間性が素晴らしいから」など、大きな夢を実現するために努力を重ねている点が共通の理由となっているようです。また、3位の所ジョージさんについては、「自由にしがらみもなく楽しそうに生きていて、常識がありそうだから」など、ライフスタイルに魅力を感じた人が多いようです。 (図37)
※子どもの教育資金と学資保険に関する調査 2015
https://www.sonylife.co.jp/company/news/26/nr_150313.html
子どもの教育資金と学資保険に関する調査 2016
https://www.sonylife.co.jp/company/news/27/nr_160302.html
子どもの教育資金に関する調査2017
https://www.sonylife.co.jp/company/news/28/nr_170314.html
子どもの教育資金に関する調査2018
https://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_180125.html
また、歴史上の人物では、1 位「坂本龍馬」(56 件)、2 位「徳川家康」(44 件)、3 位「織田信長」(34 件)となりました。
1 位の坂本龍馬を選んだ理由としては、「常に広い視野を持ち、信念と行動力を持っているから」などが挙 げられました。次の時代を予測できる視野の広さや、夢や目標に向かって突き進んでいける行動力などに魅力を感じ、自身の子どもにお手本としてほしいと願う親が多いのではないでしょうか。 (図38)
(図37)(図38)
- 子どもに将来就いてほしい職業 「公務員」がダントツ、女子の親では医療関係が人気
最後に、全回答者(1,000名)に、自分の子どもに就いてほしい職業を聞きました。
男子の親では、「公務員」(88件)がダントツとなり、以下、2位「会社員」(29件)、3位「医師」(27件)と続きました。
選んだ理由をみると、1位の公務員では「安定しているから」とのコメントが圧倒的多数でした。2位の会社員では「普通がいいので」というコメントが多くみられました。3位の医師では「社会に貢献できるから」などの理由が挙げられました。 (図39)
女子の親では、1位「公務員」(68件)、2位「看護師」(28件)、3位「医師」(21件)となり、こちらも公務員がトップとなりました。また、4位には「薬剤師」(20件)がランクインしており、医療関係の仕事に就いてほしいと考える親も多いようです。
選んだ理由をみると、1位の公務員では「仕事と生活を両立しやすいから」、2位の看護師では「命の大切さを学べるから」、3位の医師では「医療を通して、人助けをしてほしいから」といった理由が挙げられました。(図40)
(図39)(図40)
注:本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、合計しても100%となら
ない場合がございます。
また、属性別集計において抜粋して表示している場合は、n数を合計しても全体と一致しないことがございます。
調査概要
調査タイトル
子どもの教育資金に関する調査2019
調査対象
ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする大学生までの子どもがいる20歳以上の男女
調査期間
2019年1月12日~1月16日
調査方法
インターネット調査
調査地域
全国
有効回答数
1,000サンプル(有効回答から各条件がほぼ均等になるように抽出)
(内訳)
親の性別×子の性別×子の通う学校(未就学、小学校、中学校・高校、大学・短期大学・専門学校・予備校)で16分割、ほぼ均等割付
調査協力会社
ネットエイジア株式会社
報道関係の皆さまへ
本ニュースレターの内容の転載にあたりましては、「ソニー生命調べ」と付記のうえご使用いただきますよう、お願い申し上げます。
会社概要
会社名 :ソニー生命保険株式会社
代表者名 :代表取締役社長 萩本 友男
設立 :1979(昭和54)年8月
所在地 :東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
業務内容 :生命保険業