子育てと介護が同時に来てしまった…。
その状態がダブルケアです。
そんな時は、ひとりで悩まないでください。
まずは現状の正しい認識からはじめましょう。
ダブルケアとは?
ダブルケアとは、子育てと親や親族の介護が同時期に発生する状態のことをいいます。
女性の晩婚化により出産年齢が高齢化し、兄弟数や親戚ネットワークも希薄化し続けている現代。そのような家族構造の変化のなかで、子育てと親の介護を同時にする世帯
――ダブルケア負担の世帯――の増加が予測されています。


内閣府男女共同参画局
「平成27年度 育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」
をもとにソニー生命作成
これまでは、仕事と子育ての両立、あるいは仕事と介護の両立が問題とされてきました。今度はさらに、子育て・介護・仕事の両立問題が加わってきます。各家庭だけでは立ち行かなくなり、現存の介護サービス、育児サービスはもとより、従来の子育て支援策・高齢者介護政策も見直しを迫られることになることでしょう。
このように超少子化と高齢化が同時進行する日本のような国では、ダブルケアは近い未来、大きな社会問題・政策課題になると考えられています。
※「ダブルケア」という言葉は横浜国立大学の相馬直子教授と英国・ブリストル大学の山下順子上級講師が共同研究を進める中で生まれた造語です。
ダブルケアの現状
実際に、ダブルケアに直面したことがある人は、どれくらいいるのでしょうか?
全国の大学生以下の子どもを持つ30歳~55歳の男女17,049名に、“ダブルケアとは『子育てと親・義親の世話・見守り・介護が同時期に発生する状況』である”と説明をし、自身のダブルケアの状況について聞いたところ、「現在ダブルケアに直面中」が12.3%、「過去にダブルケアを経験」が12.8%、「現在直面中で、過去にも経験がある」が4.0%で、ダブルケアに直面している人は16.3%、ダブルケアを経験したことがある人は29.1%でした。
また、経験率に「数年先にダブルケアに直面する」(7.5%)を加えた、“ダブルケアが自分事の問題”という人の割合は36.6%になりました。
性年代別にみると、ダブルケアの経験率は、男女とも年齢が上がるにつれ高くなり、50代男性では33.1%、50代女性では41.1%でした。