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老後の年金はいくらもらえる?年金の種類や計算方法などから調べられます!

dotL編集担当者A

老後に余裕をもった生活をおくりたい場合には、公的年金だけでまかないきれない可能性があります。そのため、国民年金や厚生年金でいくら受給できるのかを計算し、思い描く老後生活に必要な資金をどのように準備するかを考えておくことが大切です。この記事で、日本の今の年金制度をしっかりと理解して、将来資金の準備を進めてみてはいかがでしょうか。

更新日
2025年1年24日(金)
掲載日
2024年5年15日(水)

9分

※当記事は、ソニー生命から山本ファイナンシャル・プランニング技能士へ執筆を依頼し、原稿をソニー生命にて編集したものです。

将来、年金をいくら受給できるかご存じですか。老後受給年金額は、加入している年金、支払った期間、受給年齢など、さまざまな要因によって決まります。
老後にお金で困らないためにも、年金について学んでおきましょう。

この記事では、年金の種類や計算方法を解説します。

 年金は3種類ある

年金と一言でいっても、政府や国の年金制度から提供される「公的年金」と、企業や個人が老後の生活に備えて準備する「私的年金」の大きく2つに分けられます。

公的年金は「国民年金」と「厚生年金」に分けられるため、私的年金と合わせると、年金は3種類あります。

では、3つの年金はそれぞれどのような特徴があるのか確認しましょう。

国民年金

国民年金は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての方に加入が義務付けられている公的年金です。※1
国民年金の被保険者は第1号~第3号に区別され、それぞれ以下のような違いがあります。※
2

1号被保険者

20歳以上60歳未満の農業者、自営業者、学生、無職などで、国民年金の保険料を自分で納める人

2号被保険者

厚生年金保険や共済組合等に加入している会社員や公務員で、勤め先を通じて保険料を納める人

3号被保険者

国内に居住し、第2号被保険者に扶養されている配偶者で、保険料は自分自身で納める必要がない人
(第3号被保険者である間は、保険料納付期間として将来の年金額に反映される)

老齢基礎年金・老齢厚生年金は原則として65歳から受給できますが、希望すれば6065歳になるまでの間に受給することや65歳以降に受給することもできます。

65歳よりも前に年金を受給することを繰上げ受給と呼び、66歳以降に年金を受給することを繰下げ受給と呼びます。繰上げ受給をした場合、年金額が月0.4%減額され、繰下げ受給をした場合、月0.7%増額されます。※3

繰上げでは60歳から受給でき、繰下げでは75歳まで受給を遅らせることが可能です。

60歳と75歳で受給できる年金額の増減割合の違いは、以下のとおりです。

60歳から受給

▲0.4×12ヵ月×5年=24%減額

75歳から受給

0.7×12ヵ月×10年=84%増額

年金の受給を開始すると増減額の割合は変更されないため、年金をいつから受給するかをあらかじめ考えておくことが大切です。

1 参照:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
2 参照:日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」P1
※3 参照:日本年金機構「令和4年4月施行年金制度改正資料」P5,10

厚生年金

厚生年金は、厚生年金保険の適用を受ける事業所に勤務する、70歳未満の会社員または公務員が加入する公的年金です。(※4) 厚生年金の場合、雇用者と労働者が年金保険料を折半する仕組みになっており、労働者が65歳以上になったときに年金が受給できます。

国民年金と厚生年金では、加入対象者、納付する年金保険料、年金保険料の納付方法などの他、将来受給できる金額まで異なってきます。

 

厚生年金

国民年金

加入対象者

・厚生年金保険の適用を受ける事業所に勤務する70歳未満の会社員・公務員

・正社員の所定労働日数の4分の3以上働いているアルバイト・パート※4

日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人

納付する年金保険料

「標準報酬月額×保険料率」、「標準賞与額×保険料率」を事業主と被保険者で半分ずつ負担する(労使折半)※5

一律の保険料
(年によって異なる。2024年度は月16,980円)※7

年金保険料の納付方法

給与・賞与からの天引き(事業主が被保険者分をまとめて納付)※6

自分で納付

将来給付される年金

老齢基礎年金(国民年金)+老齢厚生年金(報酬比例部分)

老齢基礎年金のみ 

4 参照:日本年金機構「適用事業所と被保険者」
5 参照:日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
6 参照:日本年金機構「厚生年金保険料等の納付」
7 参照:日本年金機構「国民年金保険料」

私的年金

私的年金は、国民年金や厚生年金といった公的年金の上乗せとして、企業や個人が任意に加入できる年金制度のことです。私的年金には、大きく分けると加入した期間などに基づいてあらかじめ給付額が定められている確定給付型と、拠出した掛金額とその運用益をもとに給付額を決定する確定拠出型の2種類があります。※8

※8 参照:厚生労働省「私的年金制度の概要(企業年金、個人年金)」

年金受給額の計算方法

将来年金受給額について、国民年金と厚生年金のそれぞれの計算方法を解説します。自分のケースに当てはめて確認しておきましょう。

国民年金の計算方法

老齢基礎年金は、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に、65歳から受給できます。

20歳から60歳になるまでの40年間の保険料をすべて納めると、満額の老齢基礎年金を受給できます。計算式(令和6年4月分以降)は、67歳(昭和31年4月2日以後生まれ)以下の場合は次のとおりです。

国民年金の受給額(年間)=816,000(*)×保険料納付済み月数÷480月(40年)
*68歳以上の方(昭和31年4月1日以前生まれ)は、813,700円です。※9

保険料を毎月欠かさず納めていた場合、1年間に満額である816,000円が受給できます。月額にすると68,000円です。※10

※9 参照:日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
※10 参照:日本年金機構 「老齢年金ガイド 令和6年度版」P6

厚生年金の計算方法

厚生年金の計算方法は、以下のとおりです。

老齢厚生年金の受給額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額 ※11
報酬比例部分の計算式は厚生年金加入時期によって異なり、以下のとおりです。 ※12

平成153月以前

平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成153月以前の加入月数

平成154月以後

平均報酬標準額×5.481/1,000×平成154月以後の加入月数

計算は1年に1回送られてくる「ねんきん定期便」を確認すると、将来受給できる年金の見込み額がわかります。将来いくら受給できるのか気になる方は、チェックしてみましょう。

※11 参照:日本年金機構「老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
※12 参照:日本年金機構「報酬比例部分」

公的年金の平均受給額はどれくらい?

厚生労働省が公表している「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の1ヵ月あたりの平均受給額は以下のとおりです。※13

厚生年金の平均受給額

143,973円

国民年金の平均受給額

56,316円

※13 参照:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」P27

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より

老後は年金だけで十分か

老後は年金だけで十分暮らしていけるのかどうか、気になる方は多いのではないでしょうか。

総務省統計局がおこなった2022年の家計調査の結果では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の1ヵ月あたりの平均消費支出は236,696円、65歳以上の単身無職世帯の1ヵ月あたりの平均消費支出は143,139円です。 ※14

これらの金額はあくまで平均であり、世帯によって支出は増減します。しかし、厚生年金の平均受給額が約14万円、国民年金の平均受給額が約5万円であることを考慮すると、年金だけで余裕を持って生活していくのは難しいでしょう。

収入が年金以外になければ、年金のみで足りない場合に貯蓄を取り崩して生活しなければなりません。なるべく長く働いて収入を確保する、年金の繰下げ受給をおこない受け取り金額を増やすなど、必要な対策を考えましょう。

※14 参照:総務省統計局「2022年(令和4年)家計の概要」P22

まとめ

今回は、年金の種類や計算方法に加え、平均受給額について解説しました。年金には3つの種類があり、受給できる年金額は加入している年金の種類や受給時期などの要因によって決まります。

65歳以上の平均消費支出と年金の平均受給額をみると、年金だけで余裕のある生活するのは難しいといえます。

将来いくら年金がもらえるのかをあらかじめ予測したうえで、収入源の確保や年金の繰下げといった対策を考えておくことが大切です。

ご自身の老後にはいくらの資金が必要なのか、どのように資金を準備すればよい悩んでいる場合は、ぜひ、保険・金融の専門家であるソニー生命のライフプランナーへご相談ください。

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執筆者:山本 シュン(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
監修者:梅井 さやか(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)

当資料は、2024年4月現在の社会保険制度に基づき作成しております。詳細につきましては、所轄の年金事務所等にご確認ください。

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