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退職金に税金はかからない?確定申告が必要なケースを解説!

dotL編集担当者C

老後のライフプランを考えるうえで、退職金は欠かせない要素です。その退職金にかかる税金について、基本的に勤続年数が増えるほど退職所得控除額は高くなります。また、確定申告が必要となるケースも存在します。この記事で、正確な退職金額の算出方法を把握し、老後資金計画の一助にしてみてください。

掲載日
2024年8年27日(火)

8分

※当記事は、ソニー生命から山口ファイナンシャル・プランニング技能士へ執筆を依頼し、原稿をソニー生命にて編集したものです。

退職金は、会社を退職した後の生活を支える重要な資金です。退職金にどれくらいの税金がかかるのかが気になるという人もいるでしょう。
退職金には退職所得控除額が設定されており、退職金の額や勤続年数によって、税金がかかる場合とかからない場合があります。

この記事では、退職金にかかる税金の種類や税額の計算方法、退職金を受け取る際の手続について解説します。場合によっては、確定申告が必要なケースもあるため、注意しましょう。

退職金に税金がかからないって本当?

退職金とは退職時に勤務先から支給される手当のことであり、継続して勤務したことに対する報償的給与として支払われるものです。

退職金は、基本的に他の所得とは分離して税額を計算します。一般的に、給与や賞与、不動産所得、雑所得などは全て合計した上で税額が計算されるため、退職金は税制上他の所得よりも優遇されています。

退職金にかかる税額を計算する過程で、退職金から控除する額のことを退職所得控除額といいます。計算された退職所得控除額より退職金のほうが少ない場合、税金はかかりません。

退職所得控除額の具体的な計算方法は後述しますが、基本的に勤続年数が増えるほど退職所得控除額は高くなります。例えば、30年勤務した場合の退職所得控除額は1,500万円となり、1,500万円までの退職金であれば非課税で受け取ることが可能です。※1

退職所得控除額を超える部分については、所得税(特別復興所得税含む)と住民税が課税されます。

※1 参照:国税庁No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

退職金にかかる税金とは?

退職金にかかる次の3つの税金を解説します。

  • 住民税
  • 所得税
  • 復興特別所得税

以下で、それぞれ詳しく解説します。

住民税

住民税とは、住所地のある都道府県と市区町村が課す税金です。退職金に課税される住民税は分離課税であり、給与所得とは別枠で計算します。※2
なお、勤務先に所定の手続をしておけば、退職金に関する住民税の計算と納税の手続は勤務先が行うため、退職した人が自身で税金関連の手続を行う必要はありません。

※2 参照:国税庁「税のしくみ 税の種類と分類」

所得税

所得税とは、個人の所得に対して課される税金です。会社員や自営業者が所得を得たとき、所得金額に応じて納めるものです。
1年間の全所得からさまざまな所得控除(個々の状況に応じて税負担を調整するためのもの)を引き、算出された課税所得に基づいて計算されます。なお、所得税の税率は所得が増えるにつれて高くなる「累進税率」を採用しています。

次の表は令和5年分所得税の税額表です。(※3)

課税される金額 税率 控除額
1,000円〜1,949,000円 5% 0円
1,950,000円〜3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円〜6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円〜8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円〜17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

※3 参照:国税庁「税の種類と分類」

復興特別所得税

復興特別所得税は、基準所得税額の2.1%を加えた付加税です。平成25年から令和19年までの各年において所得税と一緒に申告し、納付する税金です。(※4)

復興特別所得税は、東日本大震災からの復興に充てるための財源を確保する名目で徴収されています。個人で所得税を納める義務のある人は、復興特別所得税も併せて納付しなければなりません。

※4 参照:国税庁「所得税及び復興特別所得税を計算してみよう まとめ」

退職金にかかる税金の計算方法

退職金を一時金として一括で受け取る場合は分離課税が適用され、他の所得とは別に退職所得として課税されます。※5
退職所得の計算には「退職所得控除」が適用可能です。

※5 参照:国税庁「退職金と税」

退職所得控除の計算方法

退職所得控除額の計算方法は次のとおりです。(※6)

勤続年数が20年以下の場合 勤続年数 × 40万円
(ただし、合計が80万円未満の場合は80万円)
勤続年数が20年を超える場合 800万円 + (勤続年数 - 20年)× 70万円

退職所得控除を算出した後、退職所得は次の式で計算されます。

退職所得 = (収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2

なお、収入金額とは源泉徴収前の金額のことを指します。上記計算式で退職所得を計算し、「所得税」の見出しで紹介した表に当てはめれば、退職金にかかる所得税額を計算できます。

また企業年金やiDeCoを一時金として受け取りつつ、退職一時金を受け取る場合もあるかと思います。
その場合、それぞれの退職金を受け取るタイミングによって退職所得控除額に調整が入る可能性があるため、注意が必要です。

※6 参照:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」

退職金を非課税で受け取るケースはある?

退職金を非課税で受け取れるケースとは、退職金の額面が退職所得控除額より少ない場合です。

以下の表に、勤続年数に応じた退職所得控除額をまとめました。

勤続年数 非課税になる退職金額
1年 80万円
2年 80万円
3年 120万円
5年 200万円
10年 400万円
15年 600万円
20年 800万円
25年 1,150万円
30年 1,500万円
35年 1,850万円
40年 2,200万円

勤続年数が長くなるほど、非課税で受け取れる枠が大きくなることがわかります。

※7 参照:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」

退職金を受け取ったあとは確定申告が必要?

退職金を受け取る際は、確定申告が必要なケースと不要なケースが存在します。

この章ではそれぞれのケースについて解説します。

確定申告が必要になる場合

退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合は、退職所得控除が適用されず、退職金から所得税と復興特別所得税が一律20.42%で源泉徴収されます。(※4)この場合は確定申告を行い、退職所得について精算する必要があります。

※8 参照:国税庁「退職金と税」

確定申告が不要な場合

退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出すると、退職金から退職所得控除が適用され、所得税、住民税、復興特別所得税が源泉徴収されます。退職金に関する一連の課税関係が終了するため、別途確定申告をする必要はありません。
つまり、職場に「退職所得の受給に関する申告書」を提出すれば、税金の手続は完了です。

ただし、医療費控除や寄附金控除などの適用を受ける場合は、確定申告書に退職所得金額の記載が必要です。

まとめ

退職金に税金がかかるかどうかは、受け取った退職金額が退職所得控除を超えるかどうかで変わります。退職所得控除は、勤続年数から計算可能です。

退職金を受け取る際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は、原則として確定申告の必要はありません。ただし、申告書を提出していない場合や、追加の所得控除を申請する必要がある場合は確定申告が求められるケースもあります。

もし退職金に関する疑問点がありましたら、ソニー生命のライフプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。税金に関することだけでなく、退職金の活用方法に関するご相談も受け付けております。

当資料は、2024年7月現在の税制・税率に基づき作成しておりますが、あくまでも概要について説明した参考情報(値)であり、その内容の正確性をお約束するものではありません。また、税制・税率は将来変更されることがあります。なお、個別の取扱いにつきましては、所轄の税務署の判断によりますので、お客さまご自身にて所轄の税務署または税理士にご確認ください。

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執筆者:山口 貴弘(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
監修者:柴田 充輝(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

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