少額投資とは?初心者におすすめな理由と上手におこなう方法を解説
dotL編集担当者B
大きな元手を必要としない少額投資は、比較的リスクが小さく分散投資をしやすいという利点があります。しかし、長期的な計画のもとおこなう必要があったり、手数料が割高になるケースがあるなど、注意点も存在します。少額投資の主な方法も併せて紹介するので詳しく見ていきましょう。
- 掲載日
- 2024年9年17日(火)
13分
※当記事は、当社から金子CFP®認定者へ執筆を依頼し、原稿を当社で編集したものです。
少額投資は、わずかな資金でできる、初心者でも取り組みやすい資産形成の方法です。少額で購入できる金融商品には限りがありますが、それぞれ特徴があり目的に合わせて選択することができます。
少額投資が投資初心者におすすめな理由のほか、少額投資できる金融商品の具体的な種類、上手に少額投資をおこなうためのポイントなどについて解説します。
資産形成を無理なく始めたい方や、資産形成に興味があるものの大きなお金を動かすことには不安があるという方は、ぜひ参考にしてください。
少額投資とは10万円以下の少額でもできる投資のこと
少額投資とは、負担の少ない少額で投資をおこなうことです。「小口投資」や「マイクロ投資」と呼ばれることもあります。
少額がいくらなのかは人によって違いますが、少額投資は10万円以下でできる投資を指す場合が多い傾向があります。100円や1,000円といった、本当に無理のない金額で購入できる金融商品も少なくありません。
少額投資はスマートフォンアプリを通じておこなうことも可能です。思い立ったときに気軽に始められることも、少額投資の魅力といえるでしょう。
投資の初心者に少額投資がおすすめな理由
少額投資には、手軽さや価格変動時のリスクが相対的に小さくなるといった特徴があります。ここでは、投資の初心者でも始めやすい少額投資がおすすめな4つの理由を紹介します。
手軽に始められる
手軽に始められることは、少額投資が初心者におすすめできる理由のひとつです。前述のとおり、少額投資はスマートフォンアプリから買付設定ができるサービスなどがあり、手軽に始められます。
証券会社や銀行の窓口で口座開設などの手続をしなくても済むため、時間の余裕がない方にもおすすめです。
リスクが小さい
少額投資は、100円や1,000円などの少ない資金でも始められます。
大きな利益は期待できませんが、被る損失も大きくならないメリットがあります。たとえば、投資信託を100円分購入した場合、仮に損失が出たとしても、購入金額以上になるケースは多くはありません。
投資である以上、基本的に元本保証はありませんが、少額であれば不安が大きくなることもないでしょう。
分散投資がやりやすい
分散投資がやりやすいことも、少額投資が初心者におすすめできる理由です。
分散投資とは、投資先を値動きの特徴が異なる複数の金融商品に分散する投資手法です。投資先を複数に分散させることで、運用実績が思わしくない投資先があっても、別の投資先が利益を出すことで損失をカバーできます。
たとえば、1つの金融商品の最小購入金額が100万円だとすると複数購入することは難しいですが、100円という少額であれば複数購入でき、分散がしやすくなります。
そのような買い方ができる金融商品のひとつが「投資信託」です。投資信託は、資産運用のプロが投資家に代わって複数の株式や債券などに分散投資をおこなう金融商品で、少額からでも購入可能です。
少額とはいえ分散によって安定的な資産形成につながるため、初心者でも安心して始められます。
投資の勉強になる
少額投資は少ない資金で投資の勉強ができるため、初心者におすすめです。
証券会社や銀行での口座開設、金融商品の売買など、少額投資を始める過程ではさまざまなことを体験します。また、株式や債券、投資信託といった金融商品を保有すれば、値動きや市場環境の変化などに気を配るようになります。こうした体験を通じて得た知識は、資産形成をおこなううえで少なからず役立つでしょう。
少額投資は、本格的な投資を始める前のステップとしてもおすすめです。
初心者が忘れてはならない少額投資の注意点
少額投資は初心者におすすめの投資方法ですが、注意点も複数あります。少額投資をおこなう際は、注意点もきちんと押さえておくことが大切です。
大きな利益を見込めない
少額投資では、大きな利益を見込むことはできません。100万円で購入した金融商品の価格が1.5倍に上がれば利益は50万円になりますが、1,000円で購入すれば利益は500円です。少額投資は価格変動時のリスクが相対的に小さい分、利益も大きくなりにくい傾向があります。
長期的な計画で取り組む必要がある
少額投資は、短期的な利益を求めて売買を繰り返すことに向いていません。少額投資で資産形成をするには、長期的にコツコツと取り組むことが必要だからです。
たとえば「1ヵ月後の旅行費用を投資で作りたい」というような場合、少額投資は適していません。「10年後に自動車を買うための費用づくり」といった長期的な目線での活用が適しています。
手数料が割高になるケースがある
少額投資は資金が少ない分、相対的に小さくなる傾向があるため、売買手数料が定額でかかるような場合は手数料負けしてしまう可能性があります。
手数料が気になる場合は、購入手数料無料の投資信託など、低コストの金融商品を選んで購入するといいでしょう。
投資可能商品が限られている
少額投資で購入できる金融商品は、ある程度限定されています。特に、後述する「ロボアドバイザー」や「おつり投資」「ポイント投資」などのサービスでは、選択肢が限定的です。
希望の投資先が決まっている方は、少額投資で投資ができるかどうか確認してみることをおすすめします。
少額投資の主な方法
少額投資には、さまざまな方法があります。ここでは、初心者の方にもおすすめの少額投資の方法をピックアップしました。資産形成を始める際の参考にしてください。
投資信託
投資信託は、資産運用のプロが投資家から集めた資金を使い、投資家に代わって運用する金融商品です。投資信託を1銘柄買うだけで、さまざまな投資先に分散投資ができます。1口100円から投資信託を購入できる証券会社もあり、初心者に適した方法といえるでしょう。
投資信託は、資産運用のプロが投資家から集めた資金を使い、投資家に代わって運用する金融商品です。投資信託を1銘柄買うだけで、さまざまな投資先に分散投資ができます。1口100円から投資信託を購入できる証券会社もあり、初心者に適した方法といえるでしょう。
株式累積投資(るいとう)
株式累積投資(るいとう)とは、毎月定額で株式を購入する投資手法で、少額投資の方法のひとつです。1銘柄あたり月々1万円以上1,000円単位で購入金額を決められます。
通常、日本株は100株単位でしか取引できないため、購入にはまとまった資金を必要とします。しかし、株式累積投資であれば、1万円からでも購入可能です。
単元未満株
単元未満株を購入すれば、少額投資をおこなうことができます。単元未満株とは、1単元(通常100株)に満たない株式のことで、「ミニ株」などともいいます。
1株から株式を購入できるため、まとまった資金を用意する必要はありません。また、単元未満株でも保有すれば株主となるため、配当金などの受け取りが可能です。
ポイント投資
ポイント投資は、金融商品を現金ではなくポイントで購入できるサービスです。現金で投資をするのはリスクが気になるという方は、ポイントを貯めて購入費用にあててみるのもいいかもしれません。投資信託なら100円から購入できる証券会社も多く、100ポイントあれば資産形成が始められます。
投資に使えるポイントの種類は、証券会社によって異なります。それぞれの証券会社が提携しているポイントを確認してみてください。
また、ポイント投資で購入できる金融商品も、証券会社によって個別に定められています。そもそもポイント投資ができないところもあれば、投資信託や株式など幅広い投資ができるところもあります。
自分の保有しているポイントの種類と希望する投資先に応じて検討しましょう。
おつり投資
おつり投資は、電子マネーやクレジットカード決済をする際の「おつり」相当額を投資に回す手法です。
たとえば、事前に「100円単位」という設定をして「480円」の買い物をすると、自動的に支払額が500円に繰り上がり、20円分が投資に回ります。
ただし、おつり投資をするためには、おつり投資ができるアプリをダウンロードして、クレジットカードや電子マネーを登録しておかなければいけません。登録をすると、おつり分が自動で投資に回るようになります。投資先は利用するアプリに応じて決まりますが、選択肢はそれほど広くありません。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、AIを利用して自動運用をおこなうサービスです。
ロボアドバイザーには、最初に投資の方針を決めるためのいくつかの質問に回答すれば、あとは方針に合ったポートフォリオが作成されて運用をスタートしてくれる「投資一任型」と、最適な資産配分などの助言を受け、あとは本人が買付をおこなう「アドバイス型」があり、自分で投資先を考えるのが苦手な方でも利用しやすいサービスです。
ロボアドバイザーの中には、積立が可能なものとできないもの、NISAに対応しているものとしていないものなど、さまざまな種類があります。手数料もそれぞれ異なるため、よく比較して自分に合ったサービスを選びましょう。
少額投資を上手におこなう際のポイント
少額投資を上手におこなうことで、自分に合ったスタイルでの資産形成ができます。まずは始めてみるという姿勢も大切ですが、投資はある程度のリスクを伴うものです。
下記を参考に、無理のない少額投資の方法を検討してみてください。
投資の目的を定める
少額投資を上手におこなうには、投資の目的を定めることが大切です。投資の目的を定めておくと、長期的に取り組んでも方針がぶれることはないでしょう。
いつまでに、何のために、どれだけの資産を形成したいのかをはっきりさせて、それに向かって継続することで成功につながりやすくなります。
余剰資金で投資をおこなう
少額投資に限らず、投資は余剰資金でおこなうのが基本です。少額投資とはいえ、近い将来使う予定のお金や日々の生活費、生活防衛費は使わず、余った資金で無理なく行ってください。
大きな成果を期待しない
少額の資金を長期的に運用して資産形成を目指すのが、少額投資の基本です。短期的に大きな成果を期待していると「せっかく投資をしているのにあまり利益が出ていない」とがっかりしてしまうかもしれません。
コツコツと投資を継続して、利益の確認は思い出したときにおこなうという程度の付き合い方が少額投資ではおすすめです。
手数料・税金に気をつける
少額投資をする際は、手数料や税金に気をつけましょう。税金は運用益や売却益に対してかかるものですが、手数料は売買やサービス利用をするだけでかかってしまうこともあり、場合によっては「利益よりも手数料のほうが高くなった」ということにもなりかねません。
少額投資にかかる手数料は、あらかじめ確認しておくことが大切です。
NISAを利用する
NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、投資で得られた利益が非課税になる制度です。利用するためには証券口座とは別にNISA口座の開設が必要ですが、同時に開設することも可能です。
前述した少額投資の方法のうち、投資信託やロボアドバイザーの一部などは、NISAで購入できます。非課税になることは、資産形成をおこなううえで大きなメリットです。ぜひ検討してみてください。
iDeCoを利用する
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」のことで、毎月一定額を拠出して運用し、公的年金に上乗せする形で自分の年金を作れる制度です。iDeCoは、運用益が全額非課税になるだけでなく、拠出金も全額所得控除の対象になります。特に、毎月収入のある現役世代におすすめの方法です。
ただし、iDeCoは購入できる金融商品が限定的です。また、利用には手数料がかかり、原則として60歳を超えるまで引き出しができません。
少額投資を理解し、無理のない資産形成をしよう
少額投資は少ない資金で始めることができる、投資初心者におすすめの投資手法です。少額投資には複数の方法があり、それぞれの特徴を知ることで、無理のない資産形成の方法が見つけやすくなるでしょう。
資産形成は、明確な目的を定め、生活費などを除いた余剰資金でおこなうことが大切です。いつまでにどれだけの資産を作りたいかを決め、それにもとづいた無理のない計画のもと、コツコツと取り組むことをおすすめします。
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※当社は、NISAを取り扱っておりません。
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監修者:金子 賢司(CFP®認定者)
※当記事はお金にまつわる幅広い情報をまとめています。当記事のコンテンツの中には、当社で取り扱いのない商品・サービスを含んでいるものもございます。この点、充分にご留意のうえ、ご覧ください。
※当資料は、2024年8月現在の税制・税率に基づき作成しております。また、税制・税率は将来変更されることがあります。なお、個別の取扱いにつきましては、お客さまご自身にて所轄の税務署または税理士にご確認ください。