学資保険における返戻率をわかりやすく解説!高くするポイントもご紹介
公開日:2023年3月13日
更新日:2024年5月27日
学資保険の「返戻率」という言葉を見かけたことはあるものの、意味や計算方法までをしっかり理解できている方は多くないかもしれません。
学資保険は、保険料を払い込むことで、被保険者である子どもが所定の年齢に達したとき学資金を受け取れる商品です。返戻率は、払込保険料に対していくらの学資金を受け取れたのかを表します。
今回は、学資保険を検討するときに知っておきたい返戻率の計算方法や、返戻率を高くする方法などを解説します。
学資保険の返戻率をわかりやすく説明
まずは、学資保険の返戻率の定義や計算方法を解説します。
学資保険の返戻率とは?
返戻率(へんれいりつ)は、払込保険料の総額に対して、学資金の受取総額の割合を表したものです。「受取率」や「戻り率」ともいわれます。
返戻率の計算式は、以下のとおりです。
返戻率≒受取学資金総額÷払込保険料総額×100(小数点第2位以下切捨)
返戻率が100%を超えていると、払込保険料よりも多くの学資金を受け取ることが可能です。
反対に返戻率が100%を下回る場合、払込保険料のほうが受取額よりも多くなってしまい「元本割れ」の状態となります。
返戻率の計算方法は?
学資保険は、保険料を月に1回や半年に1回などに分けて支払っていくのが一般的です。また、学資金を複数回に分けて受け取れる商品もあります。
そのため、返戻率を計算するときは「学資金の受取総額」と「払込保険料の総額」を把握する必要があります。
例えば、契約内容が以下の通りである学資保険に加入したとしましょう。
- 学資金を受け取れるタイミング:子どもが18歳になった年から5年間
- 学資金の受取額:年間40万円
- 月払保険料:15,500円
- 保険料払込期間:子どもが10歳になるまで
学資金の受取総額や払込保険料、返戻率を計算すると、以下の通りとなります。
- 学資金の受取総額:学資金40万円×5回=200万円
- 保険料の払込総額:15,500円×12か月×10年=186万円
- 返戻率:200万円÷186万円≒107.5%
返戻率は、保険商品ごとで異なります。また、同じ保険会社の商品であっても、保険料の払込期間や学資金の受け取り方などで返戻率は変わります。
学資保険の返戻率を高くする3つのポイント
学資保険の返戻率は、以下3つの方法で高めることができます。
- できるだけ早めに加入する
- 保険料をまとめて支払う
- 満期を迎えるまでの期間を長くする
それぞれについて解説していきます。
できるだけ早めに加入する
学資保険は、契約者となる保護者や被保険者である子どもの年齢が若いほど、保険料は低くなるため返戻率は高くなります。
ここで、ソニー生命の学資保険(無配当)Ⅲ型に加入する場合、親(契約者)と子どもの年齢で、保険料がどれほど変わるのかを試算してみましょう。
試算条件
- 保険期間:22歳満期
- 学資金の受取総額:200万円
- 保険料払込期間:子どもが10歳になるまで
- 保険料払込方法:月払
試算結果は、以下のとおりとなります。
親(契約者)と子どもの年齢 | 毎月の保険料 | 返戻率 |
---|---|---|
親(契約者):30歳 子ども:0歳 |
15,440円 | 約107.9% |
親(契約者):32歳 子ども:2歳 |
19,928円 | 約104.5% |
※ 上記は、2024年3月1日現在の保険料およびソニー生命保険シミュレーションに基づき作成しております。
※ 返戻率≒受取学資金総額÷払込保険料総額×100(小数点第2位以下切捨)
このように、加入が2年遅れてしまうだけで、毎月の保険料は4,488円増加し、返戻率は約3.4%も低下してしまいます。
学資保険の多くは、子どもを妊娠しているときから加入できます。返戻率を高めたいのであれば、できるだけ早めに学資保険の検討を始めて、子どもが生まれる前に加入するのも方法のひとつです。
保険料の払込期間を短くする
一般的に学資保険は、保険料の払込期間を短くすることで返戻率が上昇します。また、保険料をまとめて払い込む場合も、返戻率を高めることが可能です。
保険料の払込期間を短くする方法
払込期間を短くするときは、短期払を選択して払込期間を指定します。払込期間は「子どもが10歳になるまで」「子どもが15歳になるまで」などから選べるのが一般的です。
保険料をまとめて支払う場合は「半年払」や「年払」などを選択しましょう。
保険料の払込方法は、加入時に全期間分を一括で支払う方法と複数回に分けて支払う方法を選べる場合があります。複数回に分けて支払う場合は、以下から払込方法を選べるのが一般的です。
- 月払:月に1回支払う
- 半年払:半年に1回支払う
- 年払:年に1回支払う
※ 保険会社によっては選択肢や名称が異なる場合があります
返戻率は月払、半年払、年払の順に高くなっていきます。
支払の負担と返戻率の高さはどちらを重視する?
保険料の払込期間を短くしたり保険料をまとめて支払ったりすると、1回あたりの支払額が大きくなるため、家計への負担が増します。
途中で保険料の支払が苦しくなって学資保険を解約すると、受け取れる解約返戻金が払込保険料を下回る可能性があります。
そのため、保険料の払込期間や払込方法を決めるときは、返戻率の高さよりも無理なく支払っていけるかどうかを優先して検討することが大切です。
検討する際は、専門家にライフプランニングを依頼して学資保険に加入したあとの家計をシミュレーションしてもらい、支払に無理がないか確認をすると良いでしょう。
満期を迎えるまでの期間を長くする
学資保険は、満期を迎えるまでの期間が長いほど保険料が抑えられるため、返戻率は上昇していきます。
例えば、性別、年齢、保険料払込期間などの条件が同じであれば、18歳が満期の学資保険よりも、22歳が満期である学資保険のほうが返戻率は高くなるのが一般的です。
ただし、満期の設定によって学資金を受け取るタイミングも変わります。満期までの期間を長くして返戻率を高くできたとしても、必要なタイミングで学資金を受け取れなくては本末転倒です。
そのため、学資保険に加入する目的や資金が必要になるタイミングをもとに、満期を適切に設定することが大切です。
その他注意すべき点
学資保険を検討する際は、返戻率だけでなく「保険料払込免除」の仕組みがあるかどうかを確認することが大切です。
契約者が死亡したときなどの保険料払込免除
学資保険の多くには、契約者が亡くなったとき、以降の保険料の払込が免除されることがあります。
保険会社によっては、所定の高度障害状態に該当した場合や、所定の不慮の事故により事故日から180日以内に所定の身体障害の状態になった場合も、保険料の払込が免除されます。
保険料の払込が免除されたあとも、子どもは契約時に決めたタイミングで予定どおりに学資金を受け取ることが可能です。
貯蓄で教育資金を準備していた場合、途中で親が亡くなってしまうと、基本的に子どもにはその時点で積み立てられている金額しか残してあげられません。
しかし、保険料払込免除がある学資保険に加入であれば、契約者である親に万が一のことがあったとしても、契約時に決めた学資金のすべてを子どもに残してあげられます。
保険料払込免除がある学資保険に加入することで、ひとつの保険契約で「教育資金を準備」と「万が一の備え」の両方を叶えられます。
子どもに教育資金をきちんと残すためにも、加入する学資保険に保険料払込免除があるかどうかを必ず確認しましょう。
まとめ
返戻率が100%を超えていると、払込保険料よりも多くの学資金を受け取ることができます。また「できるだけ早めに加入する」「保険料の払込期間を短くする」などの方法で、返戻率を高めることが可能です。
一方で、返戻率の高さだけでなく「保険料の払込に問題はないか」や「必要なタイミングで学資金を受け取れるか」も踏まえて学資保険の契約内容を決めることが大切です。
ソニー生命の学資保険は、貯蓄性を重視しているだけでなく、保険料の払込方法や学資金の受取方法なども、お客さまのご希望に合わせて柔軟に選ぶことができます。
教育資金をしっかりと準備したいと考えている方は、保険・金融のプロであるライフプランナーに相談することをおすすめします。さまざまな学資保険の中から子どもの進学方針や家計状況などを踏まえ最適なプランを提案してくれるので、それをもとに検討していきましょう。