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ERM(Enterprise Risk Management)

基本使命を果たし企業価値の向上を目指すにあたり、「ERM指針」を定め、リスク、リターンおよび資本の相互関係を踏まえた経営を行っています。また、同指針においてはリスクアペタイトを規定し、中期経営計画等の策定にあたっては、会社のリスク量が制限を超えないよう配慮しています。さらに、リスク量がアラームポイントに達した場合等に、対応策を検討し、速やかに対応を行う態勢を整備しています。

ERM指針(要約)

当社は、合理的な生命保険と質の高いサービスを提供することによって、お客さまの経済的保障と安定を図るため、生命保険事業の着実な成長を核として企業価値の安定的・持続的な向上を目指しています。

これを実現するために、所定の範囲で保険引受リスクを積極的に受け入れていく一方、お客さまとの約束を守れるよう十分なソルベンシー(支払能力)を確保していきます。

生命保険契約は保険期間が長期にわたるため、保険負債は、金利の変動に対して大きく変動するリスクを抱えています。保有資産と保険負債が調和した動きをとらなければ、企業価値を毀損するリスクが高まり、ソルベンシーを弱めることになります。

したがって、当社は、保険負債に内在する金利リスクを、資産と負債の両面からできる限り削減します。資産運用に当たっては、保険負債の特性に見合った資産への投資を優先させ、残余資産については、一定の流動性を確保すると共に企業価値の変動に大きな影響を与えない範囲内で運用します。

また、会社運営においては、質の高いサービスの提供を不断に追求し、顧客の期待と信頼に応えると共に、ブランド価値の毀損を招かないよう努めます。

リスク管理を効率的かつ実効性あるものにするため、リスク・リターン・資本は、市場整合的な尺度に基づき、統合的に評価します。なお、計測困難なリスクについては、定性的評価も含め、フォワード・ルッキングな視点で対処していきます。

ERMイメージ

当社ではリスク、リターンおよび資本は市場整合的な手法によって統合的に評価しています。この手法によって評価された資本を企業価値の中核として位置づけ 、持続的な成長に取り組んでおり、この取組を推進する部門を設置するとともに、委員会を活用しながら実効性を高めるよう組織体制を整備しています。

「お客さまの『生きがい』ある人生をお守りする」というビジョンの実現のため、ERM指針を踏まえ、会社全体の戦略目標および目標達成に向けた重点施策を定めた経営戦略を策定しています。

加えて、中期経営計画等で目指す経営指標や業績、健全性等の水準に影響を及ぼす可能性があるリスク事象を抽出し、その影響度を評価・分析することで、計画の達成可能性を高める取組を行っています。

将来にわたって確実に保険金や給付金をお支払いできるよう、当社はリスクと資本の状況を定期的に検証しています。また、十分な流動性資産が確保されているかどうか定期的に検証を行いつつ、法令等で定められている健全性基準に抵触しないよう管理を行っています。

健全な財務体質を保つために

経営指標

当社では財務諸表の数値や営業業績などの従来から用いられている経営指標だけでなく、企業価値の向上を図るため、その中核となる経済価値ベースの純資産を重要な経営指標と位置づけて、経営管理に取り組んでいます。

また、健全な財務基盤を確立するために、ESR(経済価値ベースのリスク量に対する資本の比率)を経済価値ベースの健全性指標として捉え、その水準を一定の範囲内に保つように努めています。

リスクリミット・リスクアペタイト

過度なリスクテイクを抑制することを目的として、ERM指針に整合的なリスクアペタイトを規定し、リスクリミットを定め、会社のリスク量が制限を超えないように配慮しています。

また、リスク量の増大または資本の減少に対しては、アラームポイントを設ける等により、速やかに対応策の検討を開始する態勢を整備しています。

業務運営での取組

資産運用

当社の資産運用は、会社全体として見た場合、生命保険契約は長期の負債を形成しているため、その負債特性に見合った資産運用をすることを目的として、残存期間が10年を超える超長期の国債への投資を主体としています。これによって、金利変動による資産と負債の経済価値の差額(経済価値純資産)への影響を抑制し、本業である生命保険に係る利益の安定化を図っています。また、国債投資の他に経済価値純資産の変動に大きな影響を与えない範囲で限定的にリスク性資産への投資も行っています。

商品開発

商品の収益性は、経済価値純資産の評価手法と整合的な手法(市場整合的な手法)によって評価し、商品の改廃等の意思決定に用いています。市場整合的な手法は、過去の損失等の影響を受けることなく、その時点の経済環境に即した評価をもたらすとともに、市場に対してヘッジ可能な収益水準を知る上で有益であり、当社の商品開発態勢における重要な手法となっています。

不確実性の高い将来に備えて

感応度分析

将来の収支等を予測するために必要な経済環境等の前提条件を変化させた時に、経済価値純資産等に与える影響を評価・分析することで、経営判断に活用しています。

ストレステスト

統計的手法によるリスク計測では捉えきれないリスクも存在すると考えられるため、自社のリスク特性を踏まえたうえで、金融市場の大幅な変動や大規模災害等の発生といったシナリオを想定したストレステストを実施し、財務の健全性に与える影響を評価・分析しています。ストレステストの結果は取締役会などに報告し、経営上または財務上の対応の検討に活用しています。

予兆管理

経営に与える影響の判断が難しい事象や、現時点では発生する可能性が低いものの、発生した場合の影響が大きい事象等の情報を社内外から収集し、その内容を社内で共有することで環境変化に対する社内の感度を高めるための取組をしています。

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