ニュースリリース(2022年度)
シニアの生活意識調査2022
2022年9月8日
このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 萩本 友男)は、2022年8月2日~8月3日の2日間、全国のシニア(50歳~79歳)の男女に対し、今年で10回目となる「シニアの生活意識調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
調査結果 概要
- シニアの現在の楽しみ 1位「旅行」2位「テレビ/ドラマ」3位「映画」4位「グルメ」5位「読書」
- 男性シニアの4位は「スポーツ」、女性シニアの4位は「健康」
- 「健康」「音楽/楽器」「子ども/孫」を楽しみとするシニアの割合が昨年より約5ポイント上昇
- シニアが旅行のためにかけている金額の平均は2.4万円/月
- シニアがペットのためにかけている金額の平均は1.3万円/月、年々上昇する傾向が明らかに
- シニアが貯蓄のためにかけている金額の平均は5.2万円/月、昨年より0.6万円減少
- 最近1年間の“孫消費” 1位「おこづかい・お年玉・お祝い金」2位「一緒に外食」
- “孫消費”として「一緒に外食」や「一緒に旅行・レジャー」に出費した人の割合が昨年より上昇
- 最近1年間の“孫消費”の金額 平均は119,413円、昨年から14,731円の大幅増加
- シニアが今後孫としたいこと 1位「外食」2位「旅行」3位「会話」4位「公園で遊ぶ」5位「散歩」
- シニアの84%が「老後も配偶者と一緒に暮らしたい」と回答
男性シニアでは90%、女性シニアでは77% - シニアの62%が「生まれ変わっても今の配偶者と結婚したい」と回答
男性シニアでは72%、女性シニアでは51% - シニアのスマホ利用目的 TOP5は「メール」「通話」「ネット検索」「ニュース閲覧」「メッセージアプリ」
- シニアの「メッセージアプリ」利用率は63%、昨年と比べて14ポイント上昇
- シニアが好きな芸能人 1位「明石家さんまさん」「所ジョージさん」
- 今年、シニアの心に響いた歌 1位「糸」2位「燦燦」3位「残響散歌」「ドライフラワー」
【シニアの楽しみ】
【シニアの孫消費】
【シニアの夫婦観】
【シニアのスマホ利用】
【シニアが選んだ○○ランキング】
アナリストのコメント
(ソニーフィナンシャルグループ株式会社 金融市場調査部 アナリスト 森本 淳太郎)
今年で10回目となる「シニアの生活意識調査」ですが、昨年と大きく変化しているのは、やはり新型コロナに対する人々の対応でしょう。世界中で猛威を奮い続けている新型コロナですが、ワクチン接種の進展や、現在流行している変異株(オミクロン株)の性質により、死亡率は大きく低下しました。これを受けて、欧米では行動制限が解除され、新型コロナ以前の日常を取り戻しつつあります。日本では、以前は感染者数が増加すると、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が発令され、人流は抑制されていました。しかし、今般の「第7波」では政府も行動制限などは行わず、人流の回復が進んでいます。
今回の意識調査は、人々が徐々に以前の日常に回帰しつつある様子を反映した結果となりました。シニアの楽しみについての調査では、「旅行(1位、44.6%→45.3%)」「グルメ(4位、25.4%→28.5%)」「スポーツ(6位、21.3%→24.5%)」「子ども/孫(9位、15.1%→19.8%)」といった、アウトドアや人々との触れ合いに関連する項目の回答割合が上昇しました(図2)。
こうした傾向は、シニアの出費に対する意識にも変化をもたらしています。「貯蓄」に対する1ヶ月の出費をみると、昨年は行動制限や将来への不安などもあり、貯蓄額が前年から大きく増加(4.7万円→5.8万円)しました。しかし、今年は貯蓄を減らし(5.8万円→5.2万円)、消費に回す傾向がみられています(図6)。
もっとも、今後の物価の動向には注意が必要です。直近のインフレ率が前年比+8.9%まで急騰しているユーロ圏では、物価の高騰を受けて人々の消費への意欲が急速に減退している様子が窺えます。日本のインフレ率は前年比+2.6%と欧米と比較すれば一見緩やかですが、現状のインフレ率は約20年ぶりの高水準と非常に高い伸びです。今後も物価の上昇に歯止めが掛からなければ、生活費が増加し、「シニアの楽しみ」のために使えるお金も減ることになります。インフレに影響を与える、ウクライナ情勢や日銀の金融政策には今後も要注目です。
なお、シニアの夫婦観については興味深い結果となりました。「老後も配偶者と一緒に暮らしたい」と答えた男性は90.4%に対し、女性は76.7%、「生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したい」と答えた男性は72.1%に対し、女性は50.5%と、男女間で大きな差が開いています(図10・11)。今から40年前、女性の6割超は専業主婦でした。このため、男性は「配偶者が家庭を支えてくれた」という意識が強い一方、女性は「自分だけの時間が欲しかった」と考えている方もいるのかもしれません。今回のアンケートを機に、夫婦の在り方について話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか。
アンケート調査結果
- シニアの現在の楽しみ 1位「旅行」2位「テレビ/ドラマ」3位「映画」4位「グルメ」5位「読書」
- 男性シニアの4位は「スポーツ」、女性シニアの4位は「健康」
- 「健康」「音楽/楽器」「子ども/孫」を楽しみとするシニアの割合が昨年より約5ポイント上昇
全国のシニア(50歳~79歳)の男女1,000名(全回答者)に、現在の楽しみを聞いたところ、1位「旅行」(45.3%)、2位「テレビ/ドラマ」(38.6%)、3位「映画」(29.5%)、4位「グルメ」(28.5%)、5位「読書」(26.6%)となりました。
男女別にみると、男性では1位「旅行」(45.6%)、2位「テレビ/ドラマ」(36.8%)、3位「映画」(33.8%)、4位「スポーツ」(32.6%)、5位「読書」(27.4%)でした。女性では1位「旅行」(45.0%)、2位「テレビ/ドラマ」(40.4%)、3位「グルメ」(32.6%)、4位「健康」(26.0%)、5位「読書」(25.8%)でした。(図1)
(図1)
昨年の調査結果と比較すると、「健康」は2021年18.8%→2022年23.3%と4.5ポイントの上昇、「音楽/楽器」は2021年18.3%→2022年22.9%と4.6ポイントの上昇、「子ども/孫」は2021年15.1%→2022年19.8%と4.7ポイントの上昇となりました。新型コロナウイルス感染症流行の長期化で、健康づくりに意欲的に取り組む人や、音楽鑑賞・楽器演奏といったおうち時間を充実させる趣味に興じる人が増えたのではないでしょうか。また、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され、子どもや孫と直接会って交流を楽しむシニアが増えたと考えられます。(図2)
(図2)
- シニアが旅行のためにかけている金額の平均は2.4万円/月
- シニアがペットのためにかけている金額の平均は1.3万円/月、年々上昇する傾向が明らかに
- シニアが貯蓄のためにかけている金額の平均は5.2万円/月、昨年より0.6万円減少
シニアは、現在の楽しみのために、どのくらいお金をかけているのでしょうか。
現在の楽しみを“旅行”と回答したシニア(453名)に、旅行に対する1ヶ月の出費を聞いたところ、平均額は2.4万円となりました。(図3)
次に、現在の楽しみを“スポーツ”と回答したシニア(245名)に、スポーツに対する1ヶ月の出費を聞いたところ、平均額は1.2万円となりました。過去の調査結果と比較すると、平均額は2020年0.9万円→2021年1.1万円→2022年1.2万円と、緩やかな上昇傾向がみられました。(図4)
(図3)(図4)
続いて、現在の楽しみを“ペット”と回答したシニア(150名)に、ペットに対する1ヶ月の出費を聞いたところ、平均額は1.3万円となりました。過去の調査結果と比較すると、平均額は2020年0.7万円→2021年1.1万円→2022年1.3万円と、年々上昇する傾向が明らかになりました。シニアのペット関連消費は拡大傾向となっているようです。(図5)
また、現在の楽しみを“貯蓄”と回答したシニア(132名)に、貯蓄に対する1ヶ月の出費を聞いたところ、平均額は5.2万円となりました。過去の調査結果と比較すると、平均額は2020年4.7万円→2021年5.8万円→2022年5.2万円と、昨年と比べて0.6万円減少しました。貯蓄額減少の背景には、新型コロナウイルス関連の行動制限の緩和による消費意欲回復や、物価上昇に伴う生活費増加があるのではないでしょうか。(図6)
(図5)(図6)
- 最近1年間の“孫消費” 1位「おこづかい・お年玉・お祝い金」2位「一緒に外食」
- “孫消費”として「一緒に外食」や「一緒に旅行・レジャー」に出費した人の割合が昨年より上昇
- 最近1年間の“孫消費”の金額 平均は119,413円、昨年から14,731円の大幅増加
シニアが、孫のためにかけているお金について質問しました。
孫がいるシニア(308名)に、この1年間で、孫のためにどのようなことにお金を使ったか聞いたところ、1位「おこづかい・お年玉・お祝い金」(67.2%)、2位「一緒に外食」(43.5%)、3位「おもちゃ・ゲーム」(39.9%)、4位「衣類などファッション用品」(30.8%)、5位「本・絵本」(26.9%)となりました。
昨年の調査結果と比較すると、「一緒に外食」は2021年38.3%→2022年43.5%と5.2ポイントの上昇、「一緒に旅行・レジャー」は2021年14.7%→2022年19.2%と4.5ポイントの上昇となりました。政府が新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動との両立を目指すなか、今夏は行動制限が緩和され、孫との外食や旅行・レジャーに出費するシニアが増えたのではないでしょうか。 (図7)
(図7)
この1年間で、孫のための出費をしたシニア(281名)に、孫のために使った金額を聞いたところ、「5万円~10万円未満」(22.1%)や「3万円~5万円未満」(21.4%)、「10万円~20万円未満」(15.0%)に回答が集まり、平均額は119,413円となりました。
昨年の調査結果と比較すると、平均額は2021年104,682円→2022年119,413円と、14,731円の大幅増加となりました。行動制限緩和後、“孫消費”が拡大傾向にあるのではないでしょうか。(図8)
(図8)
- シニアが今後孫としたいこと 1位「外食」2位「旅行」3位「会話」4位「公園で遊ぶ」5位「散歩」
孫がいるシニア(308名)に、今後、孫とどのようなことをしたいと思うか聞いたところ、1位「外食」(50.0%)、2位「旅行」(44.5%)、3位「会話」(39.6%)、4位「公園で遊ぶ」(32.8%)、5位「散歩」(29.5%)となりました。飲食店で食事をしたり、旅行に行ったりと、孫と一緒にお出かけしたいと思うシニアや、孫とコミュニケーションを取りたいと思うシニアが多いようです。
男女別にみると、「山/海で遊ぶ」(男性32.4%、女性18.6%)、「スポーツ観戦」(男性18.4%、女性5.8%)は、女性と比べて男性のほうが10ポイント以上高くなりました。男性シニアには、孫と一緒に自然の中で遊んだり、スポーツの試合で好きなチームを応援したりして、アクティブに過ごしたいと思う人が多いようです。「外食」(男性44.1%、女性54.7%)、「会話」(男性30.9%、女性46.5%)は、男性と比べて女性のほうが10ポイント以上高くなりました。女性シニアには、一緒においしいものを食べたり、おしゃべりをしたりして、孫と心ゆくまで交流したいと望んでいる人が多いのではないでしょうか。(図9)
(図9)
- シニアの84%が「老後も配偶者と一緒に暮らしたい」と回答
男性シニアでは90%、女性シニアでは77% - シニアの62%が「生まれ変わっても今の配偶者と結婚したい」と回答
男性シニアでは72%、女性シニアでは51%
シニアの夫婦観について質問しました。
配偶者がいるシニア(696名)に、老後も配偶者と一緒に暮らしたいと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」は50.9%、「どちらかといえばそう思う」は33.0%で、合計した『そう思う(計)』は83.9%、「全くそう思わない」は6.3%、「どちらかといえばそう思わない」は9.8%で、合計した『そう思わない(計)』は16.1%となりました。シニアの大多数が、今のパートナー(妻・夫)とこの先のシニアライフを楽しみたいと希望しているようです。
男女別にみると、『そう思う(計)』の割合は、男性が90.4%と、女性(76.7%)と比べて13.7ポイント高くなりました。(図10)
(図10)
生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したいと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は61.8%となりました。
男女別にみると、男性では『そう思う(計)』が72.1%、『そう思わない(計)』が27.9%で、前向きに考えている人のほうが多くなったのに対し、女性では『そう思う(計)』が50.5%、『そう思わない(計)』が49.5%と、両者が拮抗する結果となりました。夫婦観について男女で大きな意識差があるようです。(図11)
(図11)
- シニアのスマホ利用目的 TOP5は「メール」「通話」「ネット検索」「ニュース閲覧」「メッセージアプリ」
- シニアの「メッセージアプリ」利用率は63%、昨年と比べて14ポイント上昇
シニアのスマートフォン利用について質問しました。
全回答者(1,000名)に、日頃、スマートフォンで行っていることを聞いたところ、1位「メール」(76.7%)、2位「通話」(76.6%)、3位「インターネット検索」(69.6%)、4位「ニュース閲覧」(64.2%)、5位「メッセージアプリ(LINEなど)」(63.1%)となりました。
男女別にみると、「メッセージアプリ(LINEなど)」は女性が71.2%と、男性(55.0%)と比べて16.2ポイント高くなり、「写真撮影」は女性が63.0%と、男性(47.2%)と比べて15.8ポイント高くなりました。女性シニアには、メッセージアプリで手軽に連絡を取り合ったり、スマホで写真を撮って家族や友人と共有したりしている人が多いのではないでしょうか。(図12)
(図12)
昨年の調査結果と比較すると、「メッセージアプリ(LINEなど)」(2021年48.9%→2022年63.1%)は、14.2ポイント上昇しました。家族や友人とメッセージアプリの連絡先を交換し、日常のコミュニケーションに活用するシニアが大幅に増加しているのではないでしょうか。(図13)
(図13)
- シニアが好きな芸能人 1位「明石家さんまさん」「所ジョージさん」
- 今年、シニアの心に響いた歌 1位「糸」2位「燦燦」3位「残響散歌」「ドライフラワー」
全回答者(1,000名)に、好きな芸能人を聞いたところ、1位「明石家さんまさん」「所ジョージさん」、3位「綾瀬はるかさん」「吉永小百合さん」となりました。
男女別にみると、男性回答では1位「明石家さんまさん」、2位「所ジョージさん」、3位「タモリさん」と、お笑い界の大御所が上位に並びました。女性回答では1位「天海祐希さん」、2位「吉永小百合さん」、3位「所ジョージさん」「福山雅治さん」でした。ドラマや映画での凛とした姿が印象的な天海祐希さんがトップとなりました。(図14)
(図14)
次に、今年、心に響いた歌を聞いたところ、1位「糸(中島みゆき)」、2位「燦燦(三浦大知)」、3位「残響散歌(Aimer)」「ドライフラワー(優里)」、5位「アルデバラン(AI)」となりました。『ちむどんどん』の主題歌「燦燦」が2位、『カムカムエヴリバディ』の主題歌「アルデバラン」が5位と、NHK連続テレビ小説の主題歌がトップ5に2曲ランクインしました。
男女別にみると、男性回答では1位「残響散歌(Aimer)」、2位「燦燦(三浦大知)」「ドライフラワー(優里)」「TSUNAMI(サザンオールスターズ)」でした。『鬼滅の刃 遊郭編』のオープニングテーマである「残響散歌」に心を動かされた人が多いようです。女性回答では1位「糸(中島みゆき)」、2位「燦燦(三浦大知)」「アルデバラン(AI)」でした。(図15)
(図15)
注:本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、合計しても100%とならない場合がございます。
また、属性別集計において抜粋して表示している場合は、n数を合計しても全体と一致しないことがございます。
調査概要
調査タイトル
シニアの生活意識調査2022
調査対象
ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の50歳~79歳の男女
調査期間
2022年8月2日~8月3日
調査方法
インターネット調査
調査地域
全国
有効回答数
1,000サンプル(有効回答から性別×年代区分が均等になるように抽出)
(内訳)
50代 | 60代 | 70代 | 計 | |
---|---|---|---|---|
男性 | 250s | 125s | 125s | 500s |
女性 | 250s | 125s | 125s | 500s |
調査協力会社
ネットエイジア株式会社
報道関係の皆さまへ
本ニュースレターの内容の転載にあたりましては、「ソニー生命調べ」と付記のうえご使用いただきますよう、お願い申し上げます。
会社概要
会社名 :ソニー生命保険株式会社
代表者名 :代表取締役社長 萩本 友男
設立 :1979(昭和54)年8月
所在地 :東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
業務内容 :生命保険業