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ニュースリリース(2023年度)

中高生が思い描く将来についての意識調査2023

2023年7月25日

このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 髙橋 薫)は、2023年6月8日~6月14日の7日間、全国の中学生・高校生(中高生)に対し、今回で4回目となる「中高生が思い描く将来についての意識調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名(中学生200名、高校生800名)の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)


調査結果 概要

アナリストのコメント
(ソニーフィナンシャルグループ株式会社 金融市場調査部 アナリスト 森本 淳太郎)

アナリスト 森本 淳太郎

岸田政権の「異次元の少子化対策」で、改めてこれからの未来を担う世代への注目が集まっていますが、中高生は彼らの将来についてどのような意識を持っているのでしょうか。

まず目を引くのが、「自身の将来の見通し」です(図1)。中学生、高校生ともに、遠い将来のことほど不安を抱いている様子が明らかとなっています。ただ、人間がより遠い将来への不安を抱くことは、ある意味当然と言えるでしょう。遠い将来のことは見通しにくく、漠然とした不安を抱きやすいというのは中高生にとっても同じことのようです。とはいえ、前途多望な中高生の半数が10年後の未来に不安を抱いているのには、どのような理由があるのか気になるところです。

不安の材料を紐解いてみると、中高生いずれも「進学・受験」「就職・仕事」「お金」が上位3位を占めており、極めて現実的な悩みを抱えているということがわかります(図2)。青春の真っただ中である彼らも、進学・就職し、自分の力でお金を稼がなければならないという「現実」に頭を悩ませているようです。「日本」と「世界」で比べても大差ないことから(図3)、将来の日本に不安を抱いているというよりは、自分がしっかりと自立した大人になれるか、個人的な悩みを抱えていると考えられます。

そんな彼らの「将来像」ともいえる大人たちについての印象は、興味深い結果となっています。2021年の調査結果と比較して大きく変化した項目をみると、中学生は「大変そう」「疲れている」の割合が増加した一方、高校生は「楽しそう」「尊敬できる」の割合が上昇しました(図4・5)。コロナ禍を経て、テレワークの割合が上昇する中で、働く大人と触れ合う機会も増えています。こうした中で、中学生にとってはシビアな現実が目に付くようになった一方、高校生にとっては生き生きと働く大人の姿が印象に残っているようです。中学生から高校生になるにつれて、一歩ずつ大人に近づく中、少しずつ「働く覚悟」ができはじめているのかもしれません。

中学生と高校生の意識の差異は、「将来なりたい職業」にも表れています。中学生の上位項目をみると、「YouTuberなどの動画投稿者」「プロスポーツ選手」「絵を描く職業」といった「自分の好きなこと」を仕事にしたいという結果が目立ちました(図7)。一方、高校生は「公務員」「会社員」「ITエンジニア・プログラマー」などが上位を占め、安定志向が窺えます(図9)。

ところで、中高生は少子化対策に何を期待しているのでしょうか。最も優先的に取り組んでほしいと思うものは、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」となりました(図21)。「仕事も家庭も大事にしたい」という意識の高さが表れているようです。また、興味深いのは、男女の意識の違いです。中学生の「子育ての新たな支え合いと連帯」や、高校生の「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」は女子の割合が男子より高く、働く女性が増える中で、中高生の間でも女性の家庭や子育てに関する負担への意識が高まっている様子が窺えます。岸田政権の「異次元の少子化対策」には、こうした女性の働き方に関する改革も求められています。

自立した大人を目指して案外堅実でシビアな見方をしている中高生ですが、真っすぐな生き方への憧れも持ち合わせているようです。「こんな生き方をしたいキャラクター」の1位「モンキー・D・ルフィ」や2位「竈門炭治郎」は、両者とも目標のため、仲間のために全力を尽くすキャラクターです(図26)。日本の将来を担う中高生が、そんな熱い思いを胸に秘めていると思うと、頼もしさを感じます。

アンケート調査結果

  • 中高生の意識 自身の将来の見通し 「10年後は不安」中学生では45%、高校生では49%

全国の中高生1,000名(中学生200名、高校生800名)に、自身の将来(1年後、3年後、10年後)について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているか聞きました。

中学生についてみると、『明るい(計)』(「明るい」と「どちらかといえば明るい」の合計、以下同様)は、【1年後の自分】では63.5%、【3年後の自分】では59.5%、【10年後の自分】では55.0%、『不安(計)』(「不安」と「どちらかといえば不安」の合計、以下同様)は、【1年後の自分】では36.5%、【3年後の自分】では40.5%、【10年後の自分】では45.0%となりました。中学生の4割半が、10年後の自分の姿を思い浮かべた際に、明るい見通しをもてず不安を感じるようです。不安定な世界情勢や5類移行後も収束が見えないコロナ禍では、明るい未来像を鮮明に描けない人が多いのではないでしょうか。

高校生についてみると、『明るい(計)』は、【1年後の自分】では60.6%、【3年後の自分】では55.6%、【10年後の自分】では51.4%、『不安(計)』は、【1年後の自分】では39.4%、【3年後の自分】では44.4%、【10年後の自分】では48.6%となりました。高校生の4割半が3年後という近い将来に明るい見通しをもてず不安を感じ、約半数は10年後の自身の未来に不安を感じるようです。世界情勢の不安定さが増すなか、物価高騰の影響による経済不安・生活不安の高まりを受け、進学や進路、学費の準備、就職や仕事、将来の生活などに対し、明るい見通しや将来像を描けない人が多いのではないでしょうか。(図1)

(図1)

アンケート結果:自身の将来について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているかについて



  • 中学生が将来に不安を抱いていること 1位「進学・受験」、女子中学生では64%が「お金」と回答
  • 高校生が将来に不安を抱いていること 1位「お金」2位「就職・仕事」

全回答者(中学生200名、高校生800名)に、自分の将来のどのようなことに関して不安を抱いているか聞きました。

中学生についてみると、「進学・受験」(59.5%)が最も高くなりました。進学先の選択や受験勉強、志望校に合格できるかどうかといったことに関して、不安を抱える中学生が多いのではないでしょうか。次いで高くなったのは、「就職・仕事」「お金(年金除く)」(いずれも54.0%)、「容姿」(34.5%)、「友人との関係」(32.5%)でした。

男女別にみると、「お金(年金除く)」(男子44.0%、女子64.0%)と「容姿」(男子18.0%、女子51.0%)は、男子と比べて女子のほうが20ポイント以上高くなりました。


高校生についてみると、「お金(年金除く)」(54.5%)が最も高くなりました。資源高・円安を受けた値上げラッシュや家計負担の増加が高校生の生活意識に大きな影響を与えている実状が明らかになりました。次いで高くなったのは、「就職・仕事」(53.0%)、「進学・受験」(48.5%)、「恋愛」(39.1%)、「友人との関係」「結婚」(いずれも29.9%)でした。

男女別にみると、「進学・受験」(男子38.5%、女子58.5%)は、男子と比べて女子のほうが20.0ポイント高くなりました。(図2)

(図2)

アンケート結果:自分の将来のどのようなことに関して不安を抱いているかについて



  • 「10年後の日本が不安」中学生では71%、高校生では68%
  • 「10年後の世界が不安」中高生の69%

続いて、全回答者(中学生200名、高校生800名)に、10年後の日本や世界について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているか聞きました。

中学生についてみると、『不安(計)』は、【10年後の日本】では71.0%、【10年後の世界】では69.0%となりました。また、高校生についてみると、『不安(計)』は、【10年後の日本】では67.9%、【10年後の世界】では69.0%となりました。10年後の日本や10年後の世界に対し、悲観的なイメージを抱いている中学生が約7割となりました。昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻から1年以上が経過し戦闘が長期化するなか、国際情勢の変化や社会不安のリスクの高まりを受けてか、日本や世界の未来に対して、中高生の大半は明るい見通しをもてない状況となっているようです。(図3)

(図3)

アンケート結果:日本や世界について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているかについて



  • いまの“大人”に対して中学生が抱くイメージ 90%が「大変そう」、92%が「疲れている」と回答
  • いまの“大人”に対して高校生が抱くイメージ 「楽しそう」は2021年調査から11ポイント上昇

中高生は、“大人”に対してどのようなイメージを抱いているのでしょうか。

全回答者(中学生200名、高校生800名)に、対照的な2つのイメージを提示し、いまの“大人”に対して抱いている印象がそれぞれどちらに近いか聞きました。

中学生についてみると、「大変そう」と「楽(ラク)そう」では『大変そう(計)』(89.5%)、「疲れている」と「元気」では『疲れている(計)』(92.0%)、「楽しくなさそう」と「楽しそう」では『楽しくなさそう(計)』(60.5%)、「甘い」と「厳しい」では『厳しい(計)』(67.0%)、「暗い」と「明るい」では『暗い(計)』(55.5%)、「尊敬できない」と「尊敬できる」では『尊敬できる(計)』(53.5%)が多数でした。

2021年の調査結果と比較すると、『大変そう(計)』は8.0ポイントの上昇(2021年81.5%→2023年89.5%)、『疲れている(計)』は9.0ポイントの上昇(2021年83.0%→2023年92.0%)となりました。(図4)


高校生についてみると、「大変そう」と「楽そう」では『大変そう(計)』(88.5%)、「疲れている」と「元気」では『疲れている(計)』(88.0%)、「楽しくなさそう」と「楽しそう」では『楽しくなさそう(計)』(60.3%)、「甘い」と「厳しい」では『厳しい(計)』(67.5%)、「暗い」と「明るい」では『暗い(計)』(59.9%)、「尊敬できない」と「尊敬できる」では『尊敬できる(計)』(55.6%)が多数でした。

2021年の調査結果と比較すると、『楽しそう(計)』は10.7ポイントの上昇(2021年29.1%→2023年39.8%)、『明るい(計)』は7.6ポイントの上昇(2021年32.5%→2023年40.1%)、『尊敬できる(計)』は8.2ポイントの上昇(2021年47.4%→2023年55.6%)となり、いまの大人に対してポジティブなイメージを抱く高校生が増加していることがわかりました。(図5)

(図4)(図5)

アンケート結果:いまの“大人”に対して、抱いているイメージについて



  • 中学生の将来の夢 男子1位は「好きなことを仕事にする」、女子1位は「安定した毎日を送る」
  • 高校生の将来の夢 男子、女子とも1位は「安定した毎日を送る」

全回答者(中学生200名、高校生800名)に、将来の夢について聞きました。

中学生についてみると、「好きなことを仕事にする」(44.0%)が最も高くなりました。次いで高くなったのは、「安定した毎日を送る」(42.5%)、「趣味を充実させて生きる」(38.0%)、「お金持ちになる」(37.0%)、「素敵な相手と恋愛・結婚する」(29.0%)でした。

男女別にみると、男子では1位「好きなことを仕事にする」(41.0%)、2位「安定した毎日を送る」(34.0%)、3位「お金持ちになる」(32.0%)、女子では1位「安定した毎日を送る」(51.0%)、2位「好きなことを仕事にする」(47.0%)、3位「趣味を充実させて生きる」(46.0%)となりました。


高校生についてみると、「安定した毎日を送る」(46.1%)が最も高くなり、「好きなことを仕事にする」(45.4%)、「趣味を充実させて生きる」(38.1%)、「素敵な相手と恋愛・結婚する」(35.9%)、「あたたかい家庭を築く」(32.4%)が続きました。

男女別にみると、男子、女子とも1位は「安定した毎日を送る」(男子39.0%、女子53.3%)でした。(図6)

(図6)

アンケート結果:将来の夢について



  • 男子中学生が将来なりたい職業 1位「YouTuber」2位「ITエンジニア・プログラマー」3位「プロスポーツ選手」
  • 女子中学生が将来なりたい職業 1位「絵を描く職業」2位「ボカロP」3位「YouTuber」「芸能人」

将来なりたい職業を聞きました。

中学生についてみると、男子中学生では1位「YouTuberなどの動画投稿者」(22.0%)、2位「ITエンジニア・プログラマー」(17.0%)、3位「プロスポーツ選手」(15.0%)、4位「ゲーム実況者」(11.0%)、5位「ゲームクリエイター」(10.0%)となりました。

なりたい職業として選んだ理由をみると、1位の「YouTuberなどの動画投稿者」では「自分の好きなことを発信しつつ、お金も稼げるから」「現在収益化に向けて活動をしているから」、2位の「ITエンジニア・プログラマー」では「今後あらゆる業界でのニーズが高いから」「パソコンを使った仕事をしたいしITに興味があるから」、3位の「プロスポーツ選手」では「サッカーが好きだから」「元々野球選手になりたかったから」、4位の「ゲーム実況者」では「ゲームが趣味だから」「楽しそうだから」、5位の「ゲームクリエイター」では「ゲームが好きで作ってみたいと思ったから」「情報系の学問に興味があるから」といった回答が挙げられました。


女子中学生では1位「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」(19.0%)、2位「ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)」(17.0%)、3位「YouTuberなどの動画投稿者」「歌手・俳優・声優などの芸能人」(いずれも16.0%)、5位「ゲーム実況者」(11.0%)となりました。

なりたい職業として選んだ理由をみると、1位の「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」では「アニメが好きだから」「ボカロのサムネを描いたり、小説の表紙や挿絵を描いたりしてみたいから」、2位の「ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)」では「自分が音楽のおかげで今生きていけているから。私も音楽で人を助けたいから」「ボカロをよく聞いていて憧れがあるから」、3位の「YouTuberなどの動画投稿者」では「みんなを楽しませられる職業だと思ったから」「YouTuberさんを見て元気が出てくるので尊敬しているから」、「歌手・俳優・声優などの芸能人」では「アニメキャラを自分の声でやってみたいから」「憧れの存在になりたいから」、5位の「ゲーム実況者」では「推しがゲーム実況者だから」「ゲームが好きだから」といった回答が挙げられました。(図7)

(図7)

アンケート結果:将来なりたい職業について



2021年の調査結果と比較すると、男子中学生では「ゲームクリエイター」が2021年10位圏外(12位)→2023年5位と大幅上昇したほか、「プロスポーツ選手」が2021年6位→2023年3位と順位を上げ新たにTOP5入りしました。

女子中学生では2021年調査で3位だった「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」が順位を上げ、1位となりました。また、「ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)」が2021年5位→2023年2位、「ゲーム実況者」が2021年10位→2023年5位と上昇し、新たにTOP5入りしました。(図8)

(図8)

アンケート結果:将来なりたい職業について



  • 男子高校生が将来なりたい職業 1位「公務員」2位「ITエンジニア・プログラマー」3位「会社員」
  • 女子高校生が将来なりたい職業 1位「看護師」2位「公務員」3位「保育士・幼稚園教諭」

高校生についてみると、男子高校生では1位「公務員」(15.8%)、2位「ITエンジニア・プログラマー」(11.8%)、3位「会社員」(10.0%)、4位「教師・教員」(8.5%)、5位「学者・研究者」(8.3%)となりました。

なりたい職業として選んだ理由をみると、1位の「公務員」では「安定した収入を得ることができるから」「人のためになりたいし、社会貢献したいと思ったから」、2位の「ITエンジニア・プログラマー」では「プログラミングが好きだから」「将来、多く必要とされている職業だから」、3位の「会社員」では「安定しているから」「入りたい企業があるから」、4位の「教師・教員」では「尊敬できる先生がいたから」「教えるのが得意だから」、5位の「学者・研究者」では「コツコツとやる仕事が好きだから」「技術力を上げて人類を発展させたいから」といった回答が挙げられました。


女子高校生では1位「看護師」(14.2%)、2位「公務員」(11.5%)、3位「保育士・幼稚園教諭」(10.3%)、4位「歌手・俳優・声優などの芸能人」(9.8%)、5位「デザイナー(ファッション・インテリアなど)」(8.5%)となりました。

なりたい職業として選んだ理由をみると、1位の「看護師」では「病院でお世話になったときに憧れたから」「人の役に立てるから」、2位の「公務員」では「安定していて女性が働きやすいと聞いたから」「社会に貢献したいから」、3位の「保育士・幼稚園教諭」では「小さい子どもが大好きだから」「人と関わる仕事をしたいから」、4位の「歌手・俳優・声優などの芸能人」では「好きな芸能人がいるから」「音楽や歌うことが好きだから」、5位の「デザイナー(ファッション・インテリアなど)」では「クリエイティブなことが好きだから」「ファッションが好きで関わりたいから」といった回答が挙げられました。(図9)

(図9)

アンケート結果:将来なりたい職業について



2021年の調査結果と比較すると、男子高校生では2021年調査で4位だった「公務員」が順位を上げ、1位となりました。また、「会社員」は2021年10位圏外(11位)→2023年3位、「学者・研究者」は2021年10位圏外(16位)→2023年5位と大幅上昇し、2021年調査で1位だった「YouTuberなどの動画投稿者」は大幅に順位を下げ、8位となりました。

女子高校生では「保育士・幼稚園教諭」が2021年5位→2023年3位、「デザイナー(ファッション・インテリアなど)」が2021年10位→2023年5位と上昇し、新たにTOP5入りしました。(図10)

(図10)

アンケート結果:将来なりたい職業について



  • 30歳時点の目標年収のイメージ 中学生は2021年調査から100万円減少し平均805万円、
    高校生は2021年調査から72万円増加し平均757万円
  • 45歳時点の目標年収のイメージ 中学生は2021年調査から24万円増加し平均1,199万円、
    高校生は2021年調査から40万円増加し平均993万円

全回答者(中学生200名、高校生800名)に、年収や貯蓄額のイメージについて質問しました。

まず、30歳時点の目標年収のイメージをもっている人(642名)に、30歳時点の目標年収を聞いたところ、「400万円」(15.1%)や「500万円」(19.2%)、「600万円」(12.1%)などに回答が集まり、平均は中学生805万円、高校生757万円でした。

中高生の親世代の年齢を想定し、45歳時点の目標年収を聞いたところ、目標年収のイメージをもっている人(594名)の回答は「500万円」(12.3%)や「600万円」(13.1%)、「700万円」(10.8%)、「800万円」(10.1%)、「1000万円」(10.6%)、「3000万円以上」(13.1%)などに分かれ、平均は中学生1,199万円、高校生993万円でした。(図11)

2021年の調査結果と比較すると、30歳時点の目標年収の平均は、中学生では100万円の減少(2021年905万円→2023年805万円)となったのに対し、高校生では72万円の増加(2021年685万円→2023年757万円)となりました。他方、45歳時点の目標年収の平均は、中学生では24万円の増加(2021年1,175万円→2023年1,199万円)、高校生では40万円の増加(2021年953万円→2023年993万円)と、どちらも増加する結果となりました。(図12)

(図11)(図12)

アンケート結果:目標年収について



  • 30歳時点の目標貯蓄額のイメージ 中学生は2021年調査から85万円減少し平均939万円、
    高校生は2021年調査から51万円増加し平均906万円
  • 45歳時点の目標貯蓄額のイメージ 中学生は2021年調査から120万円減少し平均1,232万円、
    高校生は2021年調査から84万円減少し平均1,190万円

また、30歳時点の目標貯蓄額のイメージをもっている人(630名)に、30歳時点の目標貯蓄額を聞いたところ、「500万円」(14.4%)や「1000万円」(14.8%)などに回答が分かれ、平均は中学生939万円、高校生906万円でした。

45歳時点の目標貯蓄額のイメージをもっている人(595名)に、45歳時点の目標貯蓄額を聞いたところ、「1000万円」(15.8%)や「3000万円以上」(17.0%)などに回答が分かれ、平均は中学生1,232万円、高校生1,190万円でした。(図13)

2021年の調査結果と比較すると、30歳時点の目標貯蓄額の平均は、中学生では85万円の減少(2021年1,024万円→2023年939万円)となったのに対し、高校生では51万円の増加(2021年855万円→2023年906万円)となりました。他方、45歳時点の目標貯蓄額の平均は、中学生では120万円の減少(2021年1,352万円→2023年1,232万円)、高校生では84万円の減少(2021年1,274万円→2023年1,190万円)と、どちらも減少する結果となりました。(図14)

(図13)(図14)

アンケート結果:目標貯蓄額について



  • 希望する将来のライフイベントやライフスタイル
    「結婚したい」VS「ずっと独身でいたい」では「結婚したい」が多数派
    「子どもがほしい」VS「子どもがほしいと思わない」では「子どもがほしい」が多数派
    「家庭第一の生活をしたい」VS「仕事第一の生活をしたい」では「家庭第一の生活をしたい」が多数派
    「マイホームをもちたい」VS「マイホームをもちたいと思わない」では「マイホームをもちたい」が多数派
    「都会で暮らしたい」VS「田舎で暮らしたい」では「都会で暮らしたい」が多数派

全回答者(中学生200名、高校生800名)に、将来のライフイベントやライフスタイルについて2つの例を提示し、自身の気持ちや考えがそれぞれどちらにあてはまるか聞きました。

結婚について、「将来、結婚したい」と「ずっと独身でいたい」のどちらにあてはまるかでは、中学生、高校生とも『将来、結婚したい(計)』(中学生61.5%、高校生68.3%)が多数派でした。将来は結婚して家庭をもちたいと考えている人が多いようです。

男女・学校別にみると、『将来、結婚したい(計)』と回答した人の割合が最も高くなったのは男子高校生(70.3%)でした。(図15)

(図15)

アンケート結果:結婚について



子どもをもつことについて、「将来、子どもがほしい」と「将来、子どもがほしいと思わない」では、中学生、高校生とも『将来、子どもがほしい(計)』(中学生49.5%、高校生60.6%)が多数派でした。

男女・学校別にみると、中学生では『将来、子どもがほしい(計)』が男子59.0%、女子40.0%と、男女で大きな差が開く結果となりました。(図16)

(図16)

アンケート結果:子どもをもつことについて



ライフスタイルについて、「将来、家庭第一の生活をしたい」と「将来、仕事第一の生活をしたい」では、中学生、高校生とも『将来、家庭第一の生活をしたい(計)』(中学生46.0%、高校生55.8%)が多数派でした。

男女・学校別にみると、『将来、家庭第一の生活をしたい(計)』と回答した人の割合が最も高くなったのは男子高校生(63.2%)でした。(図17)

(図17)

アンケート結果:ライフスタイルについて



住宅購入について、「将来、マイホームをもちたい(住宅を購入したい)」と「将来、マイホームをもちたいと思わない(住宅を購入したいと思わない)」では、中学生、高校生とも『将来、マイホームをもちたい(住宅を購入したい)(計)』(中学生73.5%、高校生67.3%)が多数派でした。(図18)

(図18)

アンケート結果:住宅購入について



住環境について、「将来、都会で暮らしたい」と「将来、田舎で暮らしたい」では、中学生、高校生とも『将来、都会で暮らしたい(計)』(中学生51.0%、高校生48.5%)が多数派でした。将来は利便性の高い都会で生活したいと思う人が多いようです。(図19)

(図19)

アンケート結果:住環境について



  • 「将来もずっと実家住まいで、独身・子どもなしのままがいい」女子高校生では8%

では、“今の生活スタイル(ずっと実家住まいで、独身・子どもなし)を変えたくない”という人はどのくらいいるのでしょうか。

“結婚について「ずっと独身でいたい」”“子どもをもつことについて「将来、子どもがほしいと思わない」”“住宅購入について「将来、マイホームを持ちたいと思わない(住宅を購入したいと思わない)」”と回答した人を「変えたくない」、それ以外の人を「変えたい」として割合をみると、「変えたい」は中学生97.0%、高校生93.6%、「変えたくない」は中学生3.0%、高校生6.4%となりました。

男女・学校別にみると、「変えたくない」と回答した人の割合は女子高校生(7.8%)が最も高くなりました。(図20)

(図20)

アンケート結果:今の生活スタイルについて



  • 政府が掲げる少子化対策の重点課題のうち、最も優先的に取り組んでほしいもの
    中高生の1位は「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」

政府は今年6月に、“異次元の少子化対策”の具体的な中身である“こども未来戦略方針”を正式決定しました。また、少子化対策については、政府は2004年に少子化社会対策大綱を作成し、重点課題として次の4つを設定しています。

  • 若者の自立とたくましい子どもの育ち・・・若者の就労支援、奨学金の充実、子どもの学びの支援など
  • 仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し・・・育児休業制度の推進、男性の子育て参加促進、仕事と生活の調和のとれる環境整備、妊娠・出産しても安心して働き続けられる職場環境の整備など
  • 生命の大切さ、家庭の役割等についての理解・・・乳幼児とふれあう機会の充実、生命の大切さ・家庭の役割等についての理解促進など、安心して子どもを生み育てることができる社会環境の整備など
  • 子育ての新たな支え合いと連帯・・・就学前の児童の教育・保育の充実、放課後対策の充実、家庭教育の支援、児童虐待防止対策の推進、不妊治療への支援、児童手当の充実など

では、政府が設定している重点課題のうち、中高生が最も優先度が高いと感じているのはどの課題なのでしょうか。

全回答者(中学生200名、高校生800名)に、政府が設定している少子化対策の重点課題のうち、最も優先的に取り組んでほしいと思うものを聞いたところ、中学生、高校生ともに「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」(中学生25.0%、高校生26.3%)が最も高くなりました。仕事と家庭が両立されている状態でそれぞれの家庭に合った働き方を選択できる環境を整えることが、少子化対策としてまず必要なことだと考えている人が多いのではないでしょうか。

次いで高くなったのは、中学生では「若者の自立とたくましい子どもの育ち」(19.0%)、「子育ての新たな支え合いと連帯」(18.0%)、「生命の大切さ、家庭の役割等についての理解」(17.5%)、高校生では「子育ての新たな支え合いと連帯」(21.6%)、「若者の自立とたくましい子どもの育ち」(18.6%)、「生命の大切さ、家庭の役割等についての理解」(13.4%)でした。(図21)

(図21)

アンケート結果:政府が掲げる少子化対策の重点課題のうち、最も優先的に取り組んでほしいものについて



  • ニュース等の情報を何から得ている? 中学生では1位「テレビ」、高校生では1位「SNS」
  • 女子高校生の3人に2人が「ニュース等の情報をSNSから得ている」と回答

全回答者(中学生200名、高校生800名)に、ニュース等の情報を何から得ているか聞いたところ、中学生では「テレビ」(57.0%)が最も高くなり、「SNS(Twitter、Instagramなど)」(52.0%)、「インターネット(SNS、動画サイト除く)」(45.0%)、「動画サイト(YouTubeなど)」(42.5%)、「家族・友人」(31.0%)と続きました。

高校生では「SNS(Twitter、Instagramなど)」(58.0%)が最も高くなり、次いで高くなったのは、「テレビ」(54.0%)、「インターネット(SNS、動画サイト除く)」(45.4%)、「動画サイト(YouTubeなど)」(33.9%)、「家族・友人」(30.3%)でした。

男女・学校別にみると、女子高校生では「SNS(Twitter、Instagramなど)」が67.3%と、男子高校生(48.8%)と比べて18.5ポイント高くなりました。女子高校生には、TwitterのタイムラインやInstagramのリールなどに流れてくる投稿から最新の情報を得ている人が多いのではないでしょうか。(図22)

(図22)

アンケート結果:ニュース等の情報を何から得ているかについて



  • 中高生が選ぶ、“生き方に影響を与えた”アーティスト 男子1位は「YOASOBI」、女子1位は「King & Prince」

全回答者(中学生200名、高校生800名)に、自身の生き方に影響を与えたアーティスト(歌手)を聞いたところ、1位「YOASOBI」、2位「BTS」「優里さん」「嵐」、5位「King & Prince」「TWICE」「すとぷり」となりました。

男女別にみると、男子の回答では1位「YOASOBI」、2位「米津玄師さん」「優里さん」、女子の回答では1位「King & Prince」、2位「BTS」「Snow Man」「TWICE」「すとぷり」となりました。

選んだ理由を聞いたところ、男子の回答1位のYOASOBIについては「とても好きな曲が多くよく聴いているから」(男子高校生)や「明るく楽しい曲調が自分を明るくするから」(男子中学生)、女子の回答1位のKing & Princeについては「辛いときにたくさん支えてもらい、新しい自分にも出会えるきっかけになったから」(女子高校生)や「まわりへの感謝や愛を忘れずに生きようと思えた人生の恩人だから」(女子中学生)といった回答がみられました。(図23)

(図23)

アンケート結果:自身の生き方に影響を与えたアーティスト(歌手)について



  • 中高生が“将来のことを相談したい”と思う有名人
    男子1位は「HIKAKINさん」、女子1位は「アンミカさん」「マツコ・デラックスさん」「明石家さんまさん」

“将来のことを相談したい”と思う有名人を聞いたところ、1位「明石家さんまさん」、2位「西村博之さん」、3位「HIKAKINさん」、4位「マツコ・デラックスさん」、5位「アンミカさん」となりました。

男女別にみると、男子の回答では1位「HIKAKINさん」、2位「西村博之さん」、3位「明石家さんまさん」、女子の回答では1位「アンミカさん」「マツコ・デラックスさん」「明石家さんまさん」となりました。

選んだ理由を聞いたところ、男子の回答1位のHIKAKINさんについては「熱心に相談に乗ってくれそうだから」(男子高校生)や「いろんな経験をしているから」(男子高校生)、女子の回答1位のアンミカさんについては「ポジティブ思考で前向きに話をしてくれそうだから」(女子高校生)、マツコ・デラックスさんについては「ダメなところも良いところもしっかり伝えてくれそうだから」(女子高校生)、明石家さんまさんについては「何でもポジティブに考えてくれそうだから」(女子中学生)といった回答がみられました。(図24)

(図24)

アンケート結果:“将来のことを相談したい”と思う有名人について



  • 中高生が“将来、こういう大人になりたい”と思う有名人 男子1位は「大谷翔平さん」、女子1位は「橋本環奈さん」

“将来、こういう大人になりたい”と思う有名人を聞いたところ、1位「大谷翔平さん」、2位「HIKAKINさん」、3位「橋本環奈さん」、4位「明石家さんまさん」、5位「西村博之さん」となりました。

男女別にみると、男子の回答では1位「大谷翔平さん」、2位「HIKAKINさん」、3位「明石家さんまさん」、女子の回答では「橋本環奈さん」がダントツとなり、2位「HIKAKINさん」、3位「上白石萌音さん」と続きました。

選んだ理由を聞いたところ、男子の回答1位の大谷翔平さんについては「努力を重ねて結果を出しているから」(男子高校生)や「人間性が素晴らしい人だから」(男子高校生)、女子の回答1位の橋本環奈さんについては「人を笑顔にできる天才だと思うから」(女子高校生)や「可愛いのに気取ってなくて自然なところが好きだから」(女子高校生)といった回答がみられました。(図25)

(図25)

アンケート結果:“将来、こういう大人になりたい”と思う有名人について



  • 中高生が“こんな生き方をしたい”と思うアニメ・漫画のキャラクター 1位「モンキー・D・ルフィ」2位「竈門炭治郎」

最後に、“こんな生き方をしたい”と思うアニメ・漫画のキャラクターを聞いたところ、1位「モンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)」、2位「竈門炭治郎(鬼滅の刃)」、3位「野比のび太(ドラえもん)」、4位「ドラえもん(ドラえもん)」、5位「アンパンマン(それいけ!アンパンマン)」となりました。

選んだ理由を聞いたところ、1位のモンキー・D・ルフィについては「常に目標に向かって突き進んでいるから」(男子高校生)や「仲間想いなところや筋を通すところが尊敬できるから」(女子高校生)、「自由に生きているから」(男子中学生)、2位の竈門炭治郎については「炭治郎のような優しく強い心を持ちたいから」(女子高校生)や「自分に素直で、家族を大切にしているから」(女子中学生)、「前向きで、自分を磨き上げ、誰にでも優しくでき、困っている人を積極的に助けているから」(男子高校生)、3位の野比のび太については「何度も立ち上がれる力を持っているから」(女子高校生)や「誰にでも優しくできるところに憧れているから」(男子高校生)、4位のドラえもんについては「いるだけで周りが明るくなる人の象徴だと思うから」(女子中学生)や「何があっても切り抜けられる強さがあるから」(女子高校生)、5位のアンパンマンについては「いろいろな人を助けているから」(男子高校生)や「自分を犠牲にしてでも誰かを助けるところがすごいと思うから」(女子高校生)といった回答がみられました。(図26)

(図26)

アンケート結果:“こんな生き方をしたい”と思うアニメ・漫画のキャラクターについて



注:本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、合計しても100%とならない場合がございます。
また、属性別集計において抜粋して表示している場合は、n数を合計しても全体と一致しないことがございます。

調査概要

調査タイトル
中高生が思い描く将来についての意識調査2023

調査対象
ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の中高生

調査期間
2023年6月8日~6月14日

調査方法
インターネット調査

調査地域
全国

有効回答数
1,000サンプル(有効回答から中学生200s、高校生800sになるように抽出)

(内訳)

中学生 高校生
男子 100s 400s 500s
女子 100s 400s 500s

調査協力会社
ネットエイジア株式会社

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会社概要

会社名 :ソニー生命保険株式会社
代表者名 :代表取締役社長 髙橋 薫
設立 :1979(昭和54)年8月
所在地 :東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
業務内容 :生命保険業

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