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ニュースリリース(2023年度)

シニアの生活意識調査2023

2023年9月7日

このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 髙橋 薫)は、2023年7月27日~7月28日の2日間、全国のシニア(50歳~79歳)の男女に対し、今年で11回目となる「シニアの生活意識調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。 (調査協力会社:ネットエイジア株式会社)


調査結果 概要

アナリストのコメント
(ソニーフィナンシャルグループ株式会社 金融市場調査部 シニアアナリスト 石川 久美子)

シニアアナリスト 石川 久美子

今年で11回目となる「シニアの生活意識調査」。今回の調査結果では「インフレの影響」が強めに出たように見受けられます。

昨年はコロナ禍を背景とする行動制限の解除に伴い、前回の当調査における「現在の楽しみ」に対する回答については、「旅行」「グルメ」「スポーツ」「子ども/孫」といった、アウトドアや人々との触れ合いに関連する項目の回答割合が増加したことが特徴でした。今回調査でもこれら順位は大きく変わっていません。ただ、NEXCO東日本・NEXCO中日本・NEXCO西日本・本四高速の4社が8月17日に発表したお盆期間(8月9~16日)の高速道路の混雑状況(速報)を見ると、当該期間の1日当たりの平均交通量は前年比+7%、30km以上の渋滞回数は+40%だったとのこと。人々の移動は昨夏よりも今夏のほうが多かったのではないかと推察されます。新型コロナウイルスの5類移行後初めての夏となった今年のほうが、昨夏よりもアクティビティや人とのコミュニケーション部分において楽しめた方が多かったと考えられます。

ただし、シニアが旅行のためにかけている金額は平均月額2.9万円と、昨年から0.5万円の増加(図3)の一方、楽しみを「旅行」と回答する人の割合は昨年から減少(45.3%→39.9%)。また、「現在の楽しみ」を「貯蓄」と回答したシニアの月額平均貯蓄額も減少(5.2万円→4.4万円、図4)、最近1年間の「孫消費」の平均金額も昨年から減少しました(119,413円→108,134円、図6)。世界的なインフレが問題となる中、日本においても消費者物価指数(除く生鮮食品・エネルギー)が4月以降は前年比4%を超える水準で推移するなど、物価高が意識される場面が増えました。人の動きが活発化し、宿泊施設の逼迫や料金の高騰で旅行にかかる費用も増加し、一部、「楽しみ」から一旦は旅行を除外する動きが出ている可能性や、生活費の高騰で「貯蓄」や「孫消費」にかけられる余力が低減している可能性があります。

当社は、財価格の下落に加えて、米国の金融政策の転換を背景に円安傾向にも歯止めがかかってくると見ている上、日本は他の先進国などと違い、インフレに長期的に上昇圧力を加える継続的な「賃金インフレ」が起こる可能性は低いと見ていることから、今後はインフレが減速傾向になると見ています。見通し通りであれば、ひょっとすると次回調査では、今回消費が減少してしまった項目について、再度増加がみられるかもしれません。もうしばらく我慢をされるシニアの方も多いかもしれませんが、来年の夏はもっと楽しみを満喫していただければ良いですね。

アンケート調査結果

  • シニアの現在の楽しみ 1位「旅行」2位「テレビ/ドラマ」3位「グルメ」4位「映画」5位「読書」
    男性シニアの3位は「スポーツ」、女性シニアの1位は「テレビ/ドラマ」
  • 「旅行」を現在の楽しみとするシニアの割合が昨年より5ポイント下降

全国のシニア(50歳~79歳)の男女1,000名(全回答者)に、現在の楽しみを聞いたところ、1位「旅行」(39.9%)、2位「テレビ/ドラマ」(38.4%)、3位「グルメ」(27.1%)、4位「映画」(25.6%)、5位「読書」(23.3%)となりました。

男女別にみると、男性では1位「旅行」(39.0%)、2位「テレビ/ドラマ」(31.8%)、3位「スポーツ」(29.8%)、4位「映画」(25.6%)、5位「グルメ」(23.8%)、女性では1位「テレビ/ドラマ」(45.0%)、2位「旅行」(40.8%)、3位「グルメ」(30.4%)、4位「映画」(25.6%)、5位「子ども/孫」(25.4%)でした。(図1)

(図1)

アンケート結果:現在の楽しみについて



昨年の調査結果と比較すると、「旅行」は2022年45.3%→2023年39.9%と5.4ポイント下降、「貯蓄」は2022年13.2%→2023年8.9%と4.3ポイント下降しました。止まらない物価上昇による家計負担の増加を受け、大型出費を伴う旅行や、余剰資金による貯蓄を楽しめる人が減少したのではないでしょうか。(図2)

(図2)

アンケート結果:現在の楽しみについて



  • シニアが旅行のためにかけている金額の平均は2.9万円/月、昨年より0.5万円増加
  • シニアが貯蓄のためにかけている金額の平均は4.4万円/月、2年連続で減少

シニアが楽しみのために使っているお金について質問しました。

現在の楽しみを“旅行”と回答したシニア(399名)に、旅行に対する1ヶ月の出費を聞いたところ、平均額は2.9万円となりました。過去の調査結果と比較すると、平均額は2022年2.4万円→2023年2.9万円と、昨年と比べて0.5万円増加しました。

男女別にみると、平均額は男性では2022年2.6万円→2023年3.3万円と、昨年と比べて0.7万円増加しました。(図3)

(図3)

旅行に対する1ヶ月の出費について



また、現在の楽しみを“貯蓄”と回答したシニア(89名)に、貯蓄に対する1ヶ月の出費を聞いたところ、平均額は4.4万円となりました。過去の調査結果と比較すると、平均額は2021年5.8万円→2022年5.2万円→2023年4.4万円と、2年連続で減少しました。

男女別にみると、平均額は男性では2022年6.0万円→2023年4.4万円と、昨年と比べて1.6万円の大幅減少となりました。(図4)

(図4)

貯蓄に対する1ヶ月の出費について



  • 最近1年間の“孫消費” TOP3は「おこづかい・お年玉・お祝い金」「一緒に外食」「ファッション用品」
  • “孫消費”として「一緒に外食」に出費した人の割合が昨年より6ポイント上昇
  • 最近1年間の“孫消費”の金額 平均は108,134円、昨年より11,279円減少

シニアの“孫消費”について質問しました。

孫がいるシニア(314名)に、この1年間で、孫のためにどのようなことにお金を使ったか聞いたところ、1位「おこづかい・お年玉・お祝い金」(66.2%)、2位「一緒に外食」(49.7%)、3位「衣類などファッション用品」(33.4%)、4位「おもちゃ・ゲーム」(32.8%)、5位「本・絵本」(23.9%)となりました。

昨年の調査結果と比較すると、「一緒に外食」は2022年43.5%→2023年49.7%と6.2ポイント上昇し、「一緒に旅行・レジャー」は2022年19.2%→2023年22.6%と3.4ポイント上昇しました。新型コロナウイルス関連の行動制限が緩和され、孫との外出に出費をするシニアが増加したのではないでしょうか。(図5)

(図5)

アンケート結果:この1年間で孫のためにお金を使ったことについて



この1年間で、孫のための出費をしたシニア(284名)に、孫のために使った金額を聞いたところ、「5万円~10万円未満」(27.5%)に回答が集まったほか、「3万円~5万円未満」(18.0%)や「10万円~20万円未満」(14.1%)にも回答がみられ、平均額は108,134円となりました。

昨年の調査結果と比較すると、平均額は2022年119,413円→2023年108,134円と、11,279円減少しました。物価上昇が続き、節約意識が高まっているためか、孫消費は縮小傾向にあるようです。(図6)

(図6)

アンケート結果:この1年間で孫に使った金額について



  • シニアが今後、孫としたいこと TOP5は「外食」「会話」「旅行」「公園で遊ぶ」「散歩」

孫がいるシニア(314名)に、今後、孫とどのようなことをしたいと思うか聞いたところ、1位「外食」(55.1%)、2位「会話」(43.0%)、3位「旅行」(42.4%)、4位「公園で遊ぶ」(32.5%)、5位「散歩」(29.6%)となりました。

男女別にみると、「公園で遊ぶ」(男性37.7%、女性28.4%)は、女性と比べて男性のほうが9.3ポイント高くなりました。男性シニアには、屋外の公園で、孫と思いっきり遊びたいと考える人が多いようです。他方、「会話」(男性29.7%、女性53.4%)は、男性と比べて女性のほうが23.7ポイント高く、また、「メッセージアプリ(LINE)でのやりとり」(男性12.3%、女性24.4%)は、男性と比べて女性のほうが12.1ポイント高くなりました。女性シニアは、男性シニアに比べて孫とおしゃべりやメッセージアプリでのやりとりなどコミュニケーションを取りたいと思う人が圧倒的に多いと思われます。(図7)

(図7)

アンケート結果:今後、孫としたいことについて



  • 「老後も配偶者と一緒に暮らしたい」男性シニアでは88%、女性シニアでは83%
  • 「生まれ変わっても今の配偶者と結婚したい」男性シニアでは73%、女性シニアでは56%

シニアの夫婦観について質問しました。

配偶者がいるシニア(682名)に、老後も配偶者と一緒に暮らしたいと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」が49.6%、「どちらかといえばそう思う」が36.1%で、合計した『そう思う(計)』は85.6%、「全くそう思わない」が4.7%、「どちらかといえばそう思わない」が9.7%で、合計した『そう思わない(計)』は14.4%となりました。シニアの大多数が、これから先の人生を、配偶者とともに過ごしていきたいと希望していることがわかりました。

男女別にみると、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、男性87.9%、女性83.0%と、女性のほうが4.9ポイント低くなりました。(図8)

(図8)

アンケート結果:老後も配偶者と一緒に暮らしたいと思うかについて



生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したいと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は64.8%となりました。

男女別にみると、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、男性72.5%、女性56.0%と、16.5ポイントの差がみられました。男性シニアと女性シニアで、配偶者に対する意識に大きなギャップがあることが見て取れる結果となりました。(図9)

(図9)

アンケート結果:生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したいと思うかについて



  • シニアが今後、配偶者としたいこと 1位「旅行」2位「外食」3位「会話」4位「散歩」5位「ショッピング」
    女性シニアの5位は「ドライブ/ツーリング」

配偶者がいるシニア(682名)に、今後、配偶者とどのようなことをしたいと思うか聞いたところ、1位「旅行」(64.1%)、2位「外食」(50.6%)、3位「会話」(33.3%)、4位「散歩」(33.1%)、5位「ショッピング」(28.7%)となりました。配偶者と一緒に、旅行や外食といったお出かけを楽しみたいと考えるシニアが多いようです。

男女別にみると、男女とも1位「旅行」(男性65.9%、女性61.9%)、2位「外食」(男性51.4%、女性49.7%)となり、男性では3位「ショッピング」(31.6%)、4位「散歩」(31.0%)、5位「会話」(30.8%)、女性では3位「会話」(36.2%)、4位「散歩」(35.5%)、5位「ドライブ/ツーリング」(29.2%)と続きました。女性シニアは、配偶者との会話を重視した活動を好む傾向があると思われます。(図10)

(図10)

アンケート結果:今後、配偶者としたいことについて



  • シニアが日頃スマホで行っていること 1位「インターネット検索」2位「メール」3位「天気予報チェック」
  • 「メッセージアプリ」の利用率 男性シニアでは48%、女性シニアでは66%
  • シニアのスマホでの「メール」「通話」利用率が昨年より大幅下降

シニアのスマートフォンの使い方について質問しました。

全回答者(1,000名)に、日頃、スマートフォンで行っていることを聞いたところ、1位「インターネット検索」(67.2%)、2位「メール」(65.7%)、3位「天気予報チェック」(62.9%)、4位「通話」(61.3%)、5位「ニュース閲覧」(59.7%)となりました。

男女別にみると、「メッセージアプリ(LINEなど)」(男性48.2%、女性66.0%)は、男性と比べて女性のほうが17.8ポイント高くなりました。女性シニアには、メッセージアプリを日常の連絡手段として利用している人が多いようです。(図11)

(図11)

アンケート結果:日頃、スマートフォンで行っていることについて



昨年の調査結果と比較すると、「メール」(2022年76.7%→2023年65.7%)は11.0ポイント下降、「通話」(2022年76.6%→2023年61.3%)は15.3ポイント下降し、「メール」は2022年1位→2023年2位、「通話」は2022年2位→2023年4位とそれぞれ順位を下げました。スマートフォンを使って、メールや電話でやり取りをするシニアが減少していることが明らかになりました。他方、「時間確認(時計代わり)」(2022年43.8%→2023年50.6%)は6.8ポイント上昇しました。外出先などで、腕時計の代わりにスマートフォンの表示を見て時間を確認するシニアが増えているのではないでしょうか。(図12)

(図12)

アンケート結果:日頃、スマートフォンで行っていることについて



  • シニアが好きな芸能人 1位「綾瀬はるかさん」2位「明石家さんまさん」3位「木村拓哉さん」
  • 今年、シニアの心に響いた歌 1位「愛の花」2位「アイドル」3位「糸」

全回答者(1,000名)に、好きな芸能人を聞いたところ、1位「綾瀬はるかさん」、2位「明石家さんまさん」、3位「木村拓哉さん」となりました。

男女別にみると、男性回答では1位「明石家さんまさん」、2位「綾瀬はるかさん」、3位「加山雄三さん」、女性回答では1位「木村拓哉さん」、2位「天海祐希さん」「福山雅治さん」と、上位の顔ぶれが男女で異なる結果となりました。(図13)

(図13)

アンケート結果:好きな芸能人について



次に、今年、心に響いた歌を聞いたところ、1位「愛の花(あいみょん)」、2位「アイドル(YOASOBI)」、3位「糸(中島みゆき)」となりました。NHK連続テレビ小説『らんまん』の主題歌である「愛の花」に心を動かされたシニアが多いようです。

男女別にみると、男性回答では1位「アイドル(YOASOBI)」、2位「新時代(Ado)」、3位「愛の花(あいみょん)」「糸(中島みゆき)」となりました。アニメ『推しの子』のオープニング主題歌で、Billboard The Global Excl. U.S.など多数のチャートで1位を獲得した「アイドル」がトップでした。女性回答では1位「愛の花(あいみょん)」、2位「アイドル(YOASOBI)」、3位「Subtitle(Official髭男dism)」となりました。(図14)

(図14)

アンケート結果:今年、心に響いた歌について



注:本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、合計しても100%とならない場合がございます。
また、属性別集計において抜粋して表示している場合は、n数を合計しても全体と一致しないことがございます。

調査概要

調査タイトル
シニアの生活意識調査2023

調査対象
ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の50歳~79歳の男女

調査期間
2023年7月27日~7月28日

調査方法
インターネット調査

調査地域
全国

有効回答数
1,000サンプル(有効回答から性別×年代区分が均等になるように抽出)

(内訳)

50代 60代 70代
男性 250s 125s 125s 500s
女性 250s 125s 125s 500s

調査協力会社
ネットエイジア株式会社

報道関係の皆さまへ

本ニュースレターの内容の転載にあたりましては、「ソニー生命調べ」と付記のうえご使用いただきますよう、お願い申し上げます。

会社概要

会社名 :ソニー生命保険株式会社
代表者名 :代表取締役社長 髙橋 薫
設立 :1979(昭和54)年8月
所在地 :東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
業務内容 :生命保険業

※調査結果のPDF版はこちらからダウンロードしてください。


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