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ニュースリリース(平成25年度)

親の介護と認知症に関する意識調査

2013年11月7日

このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 井原 勝美)は、2013年10月23日~10月27日の5日間、全国の40歳~69歳の男女に対し、「親の介護と認知症に関する意識調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)

調査結果 概要

アンケート調査結果

  • 介護は「誰の身にも起こり得る普通のこと」との約7割が認識
  • 自分の親は”長生きすることが幸せだ”と実感していると思う、60代の6割半

介護は、親や自分自身も含めたすべての人に起こりえることですが、「介護」とはどのように捉えられているのでしょうか。また、長生きをすることは大変幸せなことですが、老いを迎えた親は「長生きすることが幸せだ」と実感できているのでしょうか。全回答者(1,000名)に、これらに関する意識を聞きました。

《介護は誰の身にも起こりえる普通のことで、“万が一のことではない”と認識している》について、あてはまるかどうか質問したところ、約7割(73.5%)があてはまると回答しました。「介護は万が一ではない、普通のこと」との認識は、多くの人がもっているといえそうです。(図1)

図1

 また、《自分の親は、“長生きすることが幸せだ”と実感していると思う》については、80代の親がいる人が多い年代である60代の回答者で、6割半(64.7%)となりました。“長生き”といえる年代を迎えた親は、年齢を重ねるにつれて不安感などが少なくなり、シンプルに幸せを実感する人が増えるのかもしれません。また、親の介護経験がある人(261名)においても、《自分の親は、“長生きすることが幸せだ”と実感していると思う》割合が3人に2人(65.1%)と高くなっています。(図2)

図2

  • 60代では親の介護経験は半数近く、現在介護中は4人に1人

人は誰しも老いをむかえます。自分も親も年齢を重ねる中で、親の介護経験をもつ人はどの程度いるのでしょうか。

全回答者(1,000名)に自分の親の介護をした経験について聞いたところ、経験がある割合は、40代で約1割(11.7%)、50代で2割強(21.9%)ですが、60代では半数近く(44.6%)にのぼりました。また、60代では、現在親の介護をしている人が4人に1人(25.1%)と、50代(11.7%)と比較して2倍以上の割合となり、60代は親の介護に関わる人が増える年代といえそうです。(図3)

図3

  • 「介護」のテーマは親と話しづらい?フランクに話しているのは介護未経験の人の約3割
  • 介護未経験の人の7割は、親がどのような介護を希望しているかを知らない

では、親の介護を経験していない人は、親が将来必要となる介護についてどのように考えているのでしょうか。親の介護を経験していない人(739名)に、将来の介護についての親子の会話や、介護に向けた準備状況について聞きました。

先ず、介護についてのコミュニケーションの状況として、《将来の「介護」について、親とフランクに話すことがある》の項目に、『あてはまる』(「あてはまる」+「ややあてはまる」、以下同様)と同意した割合は約3割(32.3%)となり、このテーマに関して親とオープンな会話ができている人は3人に1人との結果になりました。

また、《親がどのような「介護」を希望しているのか知っている》に『あてはまる』割合は3割(29.4%)にとどまり、残る7割(70.6%)は親がどのような介護を希望しているかを知らないとの結果になりました。(図4)

図4

  • 親の介護についての意識差、「介護は自宅で」親は約7割、子は約5割
  • 自分の親の介護への備え、約6割は「準備できていない」
  • 「子どもに自分の介護に関わってほしい」親の7割半、「親の介護に関わりたい」子の約6割
  • もし将来自分が要介護状態になったら、6割半が「子どもには介護に関わってほしくない」

親の介護を考えるに際して、親自身の意見はもちろん、介護に関わる人の意見も十分に聞きながら、最適な介護の内容を考える必要がありますが、親の「自分の介護はこうしてほしい」、子の「親の介護はこうしてあげたい」という意向について、親子で考えの相違は見られるのでしょうか。親の考えについては、先ほどの《親がどのような「介護」を希望しているのか知っている》の質問に「介護に関する親の意向を知っている」と回答した人(217名)に、子の考えについては全回答者(1,000名)に聞きました。

 親が要介護状態になったときにどこで介護を受けるかについては、本人や家族にとって重要なテーマのひとつですが、《住み慣れた自宅》と《安心できる高齢者施設》では、どちらが生活の場として望ましいと思われているか、「親の考え」と「子の考え」それぞれを聞きました。親の考えとしては、《住み慣れた自宅》で生活したいと考えている割合は約7割(67.2%)となり、《安心できる高齢者施設》での生活を選ぶ割合(32.7%)を大きく上回りました。一方で子の考えとしては、親の生活の場として良いと考える割合は、《住み慣れた自宅》(53.2%)と《安心できる高齢者施設》(46.8%)が拮抗する結果となり、このテーマに関しては親子での意向の相違が見られました。(図5)

図5

また、親の介護に対する金銭的な準備として、親の状況としては《自身の介護のための金銭的な準備ができている》と考える割合は7割半(76.5%)となりましたが、子の状況としては《自分は親の介護のための金銭的な準備ができている》と考える割合は4割(38.8%)にとどまり、残る約6割(61.2%)は金銭的な準備ができていないと考えていることがわかりました。親の介護に必要なお金の準備をしたいと考えながらも、なかなか準備がおぼつかないという状況の人が多いのかもしれません。(図6)

図6

 そして、親の介護への関与についての意向を聞いたところ、親の考えとして《できれば子どもに、自分の介護に関わってほしい》と考えている割合は7割半(76.5%)となりました。また、子の考えとして《できれば親の介護に関わりたいと思っている》割合は約6割(61.2%)となり、意識のギャップは少ない結果となりました。 これらの結果は、介護の場所や金銭的準備などの具体的な内容については親子間で意向や実態に差が見られるものの、子の約6割が《できれば親の介護に関わりたいと思っている》と考えている点は、親に対する子の思いが表れた結果といえるのではないでしょうか。(図7)

図7

 ちなみに、親ではなく「自分自身」が将来介護を受ける立場となった場合については、どのように感じるのでしょうか。自分の子どもがいる人(714名)に対し、もし将来自分が要介護状態となったら、子どもに介護に関わってほしいと思うか聞いたところ、6割半(64.3%)が《できれば子どもには、自分の介護に関わってほしくない》と回答しました。子に自分の介護に関与してほしいかどうかは、世代間で意識差があるのかもしれません。(図8)

図8

  • 親に強く感謝しているのは「教育費の支援」約6割

人生を通じて、子は親から色々な支援を受けます。親から受けた支援の中で、感謝の気持ちを特に強く感じることを、全回答者(1,000名)に聞きました。

 感謝の気持ちを特に強く感じることとして最も高い割合となったのは、「学生時代の教育費の支援」(61.3%)で、次いで「病気や怪我の時の支援」(37.8%)、「学生時代のお弁当づくり」(32.6%)と続きました。他に、「出産・育児での支援」(28.9%)、「中学・高校・大学受験時の応援」(27.6%)、「大人になってからの生活費の支援」(17.0%)、「就活や転職時の応援」(12.0%)など、親のさまざまな支援に対し、感謝の気持ちを感じている様子がうかがえました。(図9)

図9

  • 親への感謝、「父の日や母の日のお祝い」で表している約5割、「長寿のお祝い」約2割

自分を育ててくれた親への感謝。このような気持ちを面と向かって言葉にするのは、なかなか照れくさいものですが、日ごろの行動でさりげなく感謝を伝えている人も多いのではないでしょうか。全回答者(1,000名)に、普段親のためにどのようなことをしてあげているかを聞きました。

最も多かったのは、「父の日や母の日のお祝い」で約5割(51.2%)となり、このよう記念日をきっかけに、親への感謝の気持ちを表している人が多い様子がうかがえる結果となりました。他に、「誕生日のお祝い」(43.0%)や「長寿のお祝い」(23.3%)など、折に触れて親への労りの気持ちを表したり、「一緒に旅行」(17.4%)などの楽しみを共有している様子も見られ、さまざまな形で親への感謝の気持ちが伝えられていることがわかりました。(図10)

図10

  • 介護についての知識、「必要なお金」「介護保険の仕組」を知っているのは約2割にとどまる
  • 親の介護について誰に相談?「配偶者」6割、「信頼できる第三者」は4人に1人

介護は万が一のことではなく、普通のこととの認識は多数の人がもっていますが、介護に必要な情報はどの程度知られているのでしょうか。

全回答者(1,000名)に対し、介護にまつわる項目をいくつか提示し、それらを知っているか聞いたところ、《介護に必要なお金》や《介護保険の仕組》を詳しく知っている人はいずれも約2割(23.7%、23.8%)にとどまりました。「介護は誰にでも起こり得ること」との認識をもったうえで、より具体的な準備をすすめるべく、積極的な情報収集を行うことも必要かもしれません。(図11)

図11

また、親の介護について相談したいときに、誰に相談するかを聞いたところ、「配偶者」(59.8%)が最も高い割合となり、次いで「自分の兄弟」(34.0%)となりました。また、身内以外の人に相談している様子も見られ、「信頼できる第三者(自治体や病院などの介護相談窓口や専門家など)」に相談する人も4人に1人(24.5%)となりました。(図12)

図12

  • 認知症は、加齢による物忘れではない 「知っていた」約8割
  • 認知症は生活管理が予防に繋がるとの認識も浸透
  • 認知症は発症しても症状が改善することがある、3割半が「知らなかった

認知症の母と過ごす何気ない日常を描いた映画、「ぺコロスの母に会いに行く」が2013年11月16日に全国ロードショーが開始されますが、「認知症」はどの程度正しく理解されているのでしょうか。

全回答者(1,000名)に対し、認知症に関する説明文を提示したうえで、知っていたかどうか質問をしたところ、《認知症は「加齢による物忘れ」ではない》は約8割(83.8%)が知っていたと回答し、《認知症は、普段の生活管理が予防に繋がることがある》も約8割(77.8%)が知っていたとの結果になりました。これらの事実に関しては、多数の人に浸透しているといえそうです。一方で、《認知症は、発症しても症状が改善することがある》ことを知っていた人は6割半(64.2%)となり、残る3割半(35.8%)は知らなかったとの結果になりました。(図13)

図13

  • 認知症予防で活用したいもの 男性人気は「麻雀や囲碁」、女性人気は「脳トレアプリ」
  • オンラインゲームを認知症予防に活用したい 約4割

最後に、「認知症は普段の生活管理が予防に繋がることがある」という事実をうけて、認知症予防のために活用したいツールについて聞きました。活用したいとの人気が高かったのは、男性で「麻雀や囲碁などの卓上ゲーム」(61.0%)、女性で「脳トレアプリ」(69.8%)「計算ドリル集」(67.6%)となりました。また、「対戦機能」により認知症予防の効果が期待される「オンラインゲーム」についても、活用したいとの割合も約4割(43.5%)となりました。(図14)

図14

調査概要

調査タイトル :親の介護と認知症に関する意識調査
調査対象 :ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする40歳~69歳の男女で、自身の父親か母親がご存命の方
調査期間 :2013年10月23日~10月27日
調査方法 :インターネット調査
調査地域 :全国
有効回答数 :1,000サンプル(有効回答から1,000サンプルを抽出)
(男性・女性 各500名、40代・50代・60代 各166~167名)
調査協力会社 :ネットエイジア株式会社

報道関係の皆さまへ

本ニュースレターの内容の転載にあたりましては、「ソニー生命調べ」と付記のうえご使用いただきますよう、お願い申し上げます。

会社概要

会社名 :ソニー生命保険株式会社
代表者名 :代表取締役社長 井原勝美
設立 :1979(昭和54)年8月
所在地 :東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル東館 3階
業務内容 :生命保険業



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