ナビゲーションをスキップする

介護保険制度とは?仕組みや保険料、
受けられるサービス、利用の流れなどを徹底解説!

介護保険制度とは、介護を社会全体で支えることを目的にした公的保険です。
日本では40歳以上の人は介護保険への加入が義務となり、介護保険料を負担します。
被保険者になる前から制度の内容をよく理解しておくことが大切です。

日本では、40歳以上の人は介護保険への加入義務があり、介護保険料を負担します。
しかし、介護保険制度について、耳にしたことはあるけれど、制度の内容やどのようなサービスが利用できるのかなどをよく知らないという人も多いのではないでしょうか。

いつ誰が要介護状態になるかは予想ができないため、いざという時に備えて早いうちから制度についてよく理解しておくことが大切です。

この記事では、介護保険制度の基礎知識や制度の仕組み、保険料、サービスの内容と利用までの流れまで
詳しく解説します。

介護保険制度とは?

介護保険制度とは、高齢者の介護を社会全体で支えることを目的に創設された公的保険制度で、日本では40歳以上の加入が義務化されています。

65歳以上の人は、要介護状態または要支援状態になった場合、介護保険制度を利用して、介護サービスを受けることができます。
また、40歳から64歳の人は、特定疾病によって要介護状態または要支援状態になった場合に、介護保険制度を利用することができます。

介護保険制度を利用すると、介護サービスにかかる費用は1〜3割の自己負担で済み、2023年4月時点での利用者は居宅(介護予防)サービスが411.2万人、地域密着型(介護予防)サービスが89.5万人、施設サービスの利用者が94.7万人となっています。
要介護(要支援)認定者数は696.1万人で、うち男性が221.3万人、女性が474.8万人です。※1

介護保険制度は介護保険法に基づいて、介護保険サービスを円滑に提供できるような仕組みや計画などの基本方針を定めています。

※1 参照:厚生労働省「介護保険事業状況報告の概要」
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m23/dl/2304a.pdf

介護保険制度の仕組みとなりたち

介護保険制度は、みんなで保険料を負担して必要な人に給付する保険制度の仕組みとなっています。

かつては子どもや家族が介護をするものとされていましたが、高齢化の進行により介護を必要とする高齢者が増加したことや核家族化の進行、また介護による離職が社会問題となりました。

このような背景から、家族の負担を軽減し、社会全体で介護を支えることを目的に、2000年に創設されたのが介護保険制度です。

運営主体は全国の市区町村または広域連合で、介護保険料と税金を財源に運営しています。財源の割合は、公費5割・保険料5割です。

市区町村または広域連合により、費用の9割が介護サービス事業者に支払われるので、原則1割の自己負担で介護保険サービスを受けることができます。

ただし、自己負担額は、前年度の所得によっては2割または3割負担になることもあります。

介護保険制度は3年ごとに改正されている

介護保険制度は介護保険法の基本理念を踏まえて、地域の要介護者等が能力に応じて自立した日常生活を送れるよう、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を計画的に実現するための基本方針を定めています。

国が定める基本方針を「介護保険事業計画」といい、3年を1期とした計画期間を定めて、常に変化し続ける介護を取り巻く環境に合わせ、3年ごとの改正を繰り返しています。

介護保険事業計画で市町村や都道府県ごとに定められている内容は以下のとおりです。※2

  • 区域(日常生活圏域)の設定
  • 介護サービス量の見込み
  • 介護サービスごとの必要定員総数
  • 要介護状態となることの予防や重度化防止などの取り組みと目標

事業計画で定めた内容から保険料の設定などが行われます。

2021〜2023年度は第8期の介護保険事業計画となっていましたが、2024年度からは第9期が始まります。

2024年度から始まる第9期について、注目したいポイントは以下のとおりです。

  • サービス利用の2割負担の対象者拡大
  • 福祉用具貸与のみのケアプラン費をカット
  • 介護業界における小規模法人の大規模化

詳しくは厚生労働省の「基本指針について」をご覧ください。

※2 参照:厚生労働省「基本指針について」P2
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001063189.pdf

介護保険料は何歳からいくら支払う?

介護保険料は40歳から64歳までの第2号被保険者と65歳以上の第1号被保険者から公的医療保険とあわせて徴収されます。

第1号被保険者は、市区町村が徴収し、原則として年金から天引きされます。保険料は市区町村によって異なり、市区町村の基準額をもとに本人や世帯の所得によって段階的に決められています。

一方、第2号被保険者は会社員などの健康保険加入者と自営業などの国民健康保険加入者で徴収方法が異なります。

健康保険加入者は、健康保険料と一緒に徴収され、事業者が半分を負担します。国民健康保険加入者は国民健康保険料と一緒に徴収され、全額自己負担です。

会社勤めの人であれば給与から天引きされますが、自営業の人は口座振替やコンビニなどで納付書を使って支払います。

介護保険料については、40歳から64歳までの第2号被保険者の場合、所得や世帯の被保険者数、資産などによって保険料が決まります。会社勤めの場合は加入している健康保険組合によっても異なります。

介護保険制度に合わせて介護保険料も3年ごとに改正を繰り返していますが、値上がりしている傾向にあります。

介護保険のサービスを受けられる対象者・受給要件

介護保険のサービスを受けられるのは、65歳以上の第1号被保険者、または40歳から64歳までの第2号被保険者で、医療保険に加入している人が対象です。

対象者および受給要件は以下のとおりです。

対象者 65歳以上(第1号被保険者) 40歳から64歳まで(第2号被保険者)
受給要件 要介護状態または要支援状態 加齢に伴う特定の疾病を原因とした要介護状態または要支援状態

介護保険制度において、特定疾病の対象となる病気は以下の16種です。※3

  • がん(医師により回復の見込みがないと判断したもの)
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗しょう症
  • 初老期における認知症
  • 進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・パーキンソン病
  • 脊髄小脳変性症(SCD)
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症(MSA)
  • 糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 変形性関節症(両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴うもの)

40歳から64歳までの第2号被保険者の場合、特定疾病により要介護状態または要支援状態と判断されれば介護保険制度を使えますが、仮に交通事故などの特定疾患にはない原因で介護が必要となった場合は、介護保険が利用できないため注意が必要です。

※3 参照:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html

介護保険で受けられる主なサービス内容

介護保険で受けられるサービスには主に「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」があります。

サービスを受ける方法としては自宅で介護が受けられる「訪問サービス」や介護者が施設に通う「通所サービス」、また短期で施設に入れる「短期入所サービス」など、細かく見るとさまざまです。

介護保険で受けられる具体的なサービス内容は以下のとおりです。

居宅サービス 居宅介護支援
  • ケアプランの作成
  • 家族の相談など
訪問サービス
  • 掃除や買い物などの生活援助や身体介護など
  • 健康チェックや療養上のお世話など
  • 浴槽持ち込みによる入浴介助
  • リハビリ
  • 療養管理指導(さまざまな専門医による管理・指導)
通所サービス
  • デイサービス
  • デイケア
  • 認知症対応の通所介護
短期入所サービス 家族の負担軽減や施設入居準備などに利用可能
施設サービス
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
地域密着型サービス
  • グループホーム
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
福祉用具サービス 介護ベッドや車椅子などの福祉用具のレンタル

居宅サービス・地域密着型サービスの支給限度額・利用の目安

居宅サービスや地域密着型サービスには毎月の支給限度額があり、限度額を超えて利用したサービス分は全額が自己負担となります。※4

要介護度 支給限度額(月額) サービス利用の目安
要支援1 50,320円 週2〜3回
要支援2 105,310円 週3〜4回
要介護1 167,650円 1日1回程度
要介護2 197,050円 1日1〜2回程度
要介護3 270,480円 1日2回程度
要介護4 309,380円 1日2〜3回程度
要介護5 362,170円 1日3〜4回程度

例えば、要支援1の場合だと、以下のようなサービスが支給限度額内で利用できます。

  • 週1回の訪問型サービス
  • 通所型サービス
  • 月2回の施設への短期入所

※4 参照:公益財団法人 生命保険文化センター「公的介護保険で受けられるサービスの内容は?」

介護保険被保険者証はどこでもらえる?

介護保険被保険者証は年齢によって交付方法が異なります。

65歳以上の第1号被保険者の場合は、65歳になる誕生月に郵送により交付されます。交付を受けただけでは介護保険サービスを利用することはできないので、サービスを利用する場合は、介護認定を受ける手続が必要です。

一方、40歳から64歳までの第2号被保険者の場合は、自動的には交付されません。介護が必要となってから要介護認定を受けることで交付されます。

介護保険制度の運営主体は市区町村なので、お住まいの自治体の担当部署が介護保険被保険者証を交付する窓口となります。

介護保険制度の申請・利用の流れ

介護保険サービスを利用するには要介護(要支援)認定を受ける必要があります。
手続の流れは次のとおりです。※5

  • 要介護認定の申請
  • 要介護認定の調査・判定
  • 認定結果の通知
  • ケアプランの作成
  • サービスの利用開始

※5 参照:厚生労働省「介護保険制度について」P3
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000614771.pdf

市区町村窓口に要介護認定の申請

介護保険サービスの利用を希望する場合、市区町村の窓口で「要介護(要支援)認定」の申請をします。申請は原則本人または家族が行いますが、難しい場合は代理人による申請も可能です。

申請の際は第1号被保険者なら「介護保険の被保険者証」、第2号被保険者なら「医療保険の被保険者証」を持参しましょう。

要介護認定の調査

要介護認定の申請が済んだら、認定調査員により本人や家族に対して心身の状況についての聞き取り調査が行われます。調査内容は全国共通です。

また、市区町村から主治医に直接依頼し、心身の状況について意見書を作成してもらいます。

認定調査では普段の生活の様子をきちんと伝える必要があるため、家族も立ち会うと良いでしょう。

認定結果の通知

認定の結果は、原則申請から30日以内に本人宛に通知されます。

認定は要支援1・2から要介護1〜5までの7段階および非該当に分かれています。認定には有効期間があり、有効期間を経過してしまうと介護保険サービスが利用できなくなります。有効期間満了までに認定の更新申請が必要となるので注意しましょう。

サービス選択・ケアプランの作成

介護(介護予防)サービスを利用する場合、ケアプランの作成が必要になります。ケアプラン作成の依頼先は、要支援か要介護かで異なります。

要介護1〜5と認定された人は、在宅で介護保険サービスを利用する場合、市区町村の指定を受けた居宅介護支援事業者へ依頼します。施設への入所を希望する場合は、希望する施設に直接申し込みます。

要支援1・2と認定された人は、地域包括支援センターへ依頼します。

サービスの利用開始

ケアプランの作成後、介護保険サービスを利用する際は「介護保険被保険者証」と「介護保険負担割合証」を提示する必要があります。

作成したケアプランをもとに、居宅サービスや施設サービスの利用を開始し、定期的にケアマネージャーと相談しながらケアプランの見直しもしていきましょう。

要介護状態となることの予防にも利用可能な予防給付について

介護保険の給付には、要介護1〜5と認定された人が受けられる介護給付と、要支援1〜2と認定された人が受けられる予防給付があります。

要支援状態とは「日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態」※6とされており、要介護状態にならないために身体機能の低下を予防する「予防給付」を受けることが可能です。

要介護状態の人が対象となる介護給付とは異なるため、施設サービスの利用はできませんが、予防給付にも訪問介護や福祉用具のレンタルなどさまざまなサービスがあるため活用してみましょう。

※6 参照:厚生労働省「介護保険制度における要介護認定の仕組み」
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kentou/15kourei/sankou3.html

まとめ

介護保険制度とは、社会全体で介護を支えることを目的に創設された公的保険制度です。常に変化し続ける介護を取り巻く環境に合わせて3年ごとに改正されるため、内容が複雑で分かりにくく、面倒に思う人もいるかもしれません。

しかし、介護が必要な本人や家族にとって、とても助けになる制度です。

いつ誰が要介護状態となるかは分からないため、早いうちから制度の内容を理解し、不明点や不安なことは自治体の担当窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう。

※当資料は、2023年10月現在の社会保険制度に基づき作成しております。
詳細につきましては、健康保険組合または各市区町村等にご確認ください。

SL23-7271-0311



ページトップへ