ニュースリリース(2021年度)
子どもの教育資金に関する調査2022
2022年3月8日
このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 萩本 友男)は、2022年1月28日~1月31日の4日間、大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女に対し、今年で9回目(※)となる「子どもの教育資金に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
※2014年~2016年は「子どもの教育資金と学資保険に関する調査」として発表
調査結果 概要
- 親の6割強が「子どもの学力や学歴は教育費次第で決まる」と実感
- 親の6割が「老後の備えよりも子どもの教育費を優先したい」と回答
- 親の約8割が「大学等への進学では費用を抑えることよりも子どもの希望の実現を優先したい」と回答
- 親の4割強が「学生時代にはアルバイトをせず学業に専念してほしい」と希望
- 親の約6割が「子どもの海外留学や海外研修は多少費用がかさんでも経験させたい」と回答
- 「子どもの教育費の負担を重いと感じる」親の6割強、大学生等の親では8割
- 「子どもの学校生活に不安を感じる」2年連続で7割を超える結果に
- 「子どものインターネット・SNS利用に不安を感じる」親の7割、中高生の親では7割半
- 「子どもの受験・進学に不安を感じる」中高生の親の8割
- 「子どもの教育資金に不安を感じる」親の7割強
- 教育資金に不安を感じる理由 TOP2は「必要額がわからない」「収入の維持・増加に自信がない」
- 「コロナ禍で子どもの教育に対する不安が増加した」親の7割半、大学生等の親では8割
- 「コロナ禍で家計が悪化した」親の6割半
- 「コロナ収束後は、子どもの教育費を増やしたい」親の7割近く
- 「コロナ禍で教育資金としての備えが減少した」親の約6割
- 「コロナ禍で教育資金に対する不安が増加した」親の7割
- 小学生から社会人になるまでに必要な教育資金 平均予想金額は1,377万円、昨年から111万円増加
- 学校外教育費の平均支出金額は14,429円/月、昨年から1,162円増加
- 子どものこづかいの平均額 小学生では1,966円/月、中高生では5,379円/月
- 小学生の親の3割半が子どもの携帯・スマホ料金に支出
- 子どもの進学費用のための備え 平均支出金額は15,690円/月
- 子どもの進学のための教育資金準備方法 1位「銀行預金」2位「学資保険」
- 高校生以下の子どもや浪人生の親の8割強が「大学等の学費は高すぎる」と回答
- 高校生以下の子どもや浪人生の親の8割半が「大学等の学費を無償化してほしい」と希望
- 高校生以下の子どもや浪人生の親の8割強が「給付型奨学金をもっと利用しやすくしてほしい」と希望
- 「子どもに有利子の貸与型奨学金を利用してもらいたい」高校生以下の子どもや浪人生の親の3人に1人
- 有利子の貸与型奨学金の利用額についての意識 親が考える平均借入希望額は399万円
- 高校生以下の子どもや浪人生の親の4人に1人が「教育ローンを利用したい」と回答
- 教育ローン平均借入希望額は408万円
- 子どもに目指してほしい“理想の大人” 有名人では1位「大谷翔平さん」
- 子どもに目指してほしい“理想の大人” アニメキャラでは1位「竈門炭治郎」
- 子どもに目指してほしい“理想の大人” 歴史上の人物では1位「坂本龍馬」「織田信長」
- 自分の子どもに就いてほしい職業 男子の親では1位「公務員」2位「医師」3位「会社員」
- 自分の子どもに就いてほしい職業 女子の親では1位「公務員」2位「医師」3位「看護師」
【教育や教育資金に関する意識】
【コロナ禍による家計や教育への影響】
【子育て・教育に関する支出の実態】
【大学等の学費や奨学金に関する意識】
【子どもに目指してほしい理想の大人・就いてほしい職業ランキング2022】
アナリストのコメント
(ソニーフィナンシャルグループ株式会社 金融市場調査部 シニアエコノミスト 渡辺 浩志)
「家計が悪化した」との回答が65%に上り(図15)、「教育資金に対する不安が高まった」との答えは7割を超えました(図18)。コロナ禍で所得の先行きが見通しづらくなり、教育資金への親の不安が高まったことが窺えます。
しかし、家計の厳しさとは裏腹に、親の半分超が「子どもの教育費を増やした」と答え(図15)、7割近くが「コロナ収束後は子どもの教育費を増やしたい」と考えています(図16)。多くの親が、子どもの長い人生にとって教育はかけがえのないものであると考え、出費を惜しまない姿勢です。また、親の約6割が「老後の備えよりも子どもの教育費を優先したい」とし(図1)、約8割が「大学等への進学では費用を抑えることよりも子どもの希望の実現を優先したい」と回答しています(図2)。身を削ってでも子どもの幸せを願う親心が垣間見えます。
今回の調査では「小学生から社会人になるまでに必要な教育資金の平均予想金額は1,377万円」(図20)となり、コロナ禍前に並ぶ高水準となりました。また、「子どもの教育費の負担を重いと感じる」との答えは6割を超え、大学生等の親では約8割にも上りました(図4)。所得の見通しが不透明ないま、親の経済環境の悪化が子どもの教育機会を奪うことのないよう、教育資金の準備はこれまで以上に計画的に行う必要がありそうです。半面、親が身を削るのにも限界がありますので、奨学金や教育ローンなども積極的に活用する必要がありそうです。ただ、その奨学金については、「もっと利用しやすくしてほしい」との回答が8割を超えています(図31)。所得や学力基準の厳しさが利用の妨げになっている面があるようです。
アンケート調査結果
- 親の6割強が「子どもの学力や学歴は教育費次第で決まる」と実感
- 親の6割が「老後の備えよりも子どもの教育費を優先したい」と回答
大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1,000名(全回答者)に、子どもの教育や教育費に関する内容について、自身の考えや状況がどの程度あてはまるか聞きました。
≪子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じる≫では、「非常にあてはまる」は14.6%、「ややあてはまる」は48.1%で、合計した「あてはまる(計)」は62.7%となりました。親の6割強が、教育費の多寡は子どもの学力や学歴に強い影響を及ぼすと実感しているようです。
≪老後の備えより子どもの教育費にお金を回したい≫では「あてはまる(計)」は59.3%、≪早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ≫では「あてはまる(計)」は66.8%となり、老後の備えよりも教育費を優先したい親や、子どもの将来を考え早期教育という先行投資を重視している親が多いことがわかりました。
また、≪スポーツや芸術の習い事よりも学習塾に教育費をかけたい≫では「あてはまる(計)」は40.9%と半数未満となり、学習塾よりも習い事にお金をかけたい親が多数派となりました。(図1)
(図1)
- 親の約8割が「大学等への進学では費用を抑えることよりも子どもの希望の実現を優先したい」と回答
全回答者(1,000名)に、子どもの大学等(大学・短期大学・専門学校、以下同様)への進学に関する意識について聞いたところ、「多少費用がかさんでも進学させたい(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)が84.5%、「費用がかさむなら進学させなくてもよい(計)」が15.5%となりました。
子どもの大学等の入学金・授業料等の費用については、「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい(計)」が77.1%、「費用が極力抑えられる学校を選択させたい(計)」が22.9%となりました。子どもが進学先を選択するシーンでは、入学金・授業料等の費用の多寡で進路が制限されることなく、子ども自身の希望の実現を優先できるように後押ししたいと考える親が多いようです。(図2)
(図2)
- 親の4割強が「学生時代にはアルバイトをせず学業に専念してほしい」と希望
- 親の約6割が「子どもの海外留学や海外研修は多少費用がかさんでも経験させたい」と回答
子どもの学校への通学については、「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい(計)」が45.4%、「自宅から通える学校を選択させたい(計)」が54.6%となりました。子どもの通学に関して、家賃や生活費がかかる下宿や寮生活よりも、自宅からの通学を希望する親が半数を超えました。
子どもの学生時代のアルバイトについては、「アルバイトはせず学業に専念してほしい(計)」が42.2%、「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい(計)」が57.8%となりました。
また、海外留学や海外研修については、「多少費用がかさんでも経験させたい(計)」が58.4%、「費用がかさむなら経験させなくてもよい(計)」が41.6%となりました。海外で得られる経験は貴重だと捉え、海外留学や海外研修にかける教育費は惜しむまいと考える親が多数派となりました。(図3)
(図3)
- 「子どもの教育費の負担を重いと感じる」親の6割強、大学生等の親では8割
全回答者(1,000名)に、≪子どもの教育費の負担を重いと感じる≫か聞いたところ、「あてはまる(計)」は61.1%となりました。
子どもの就学段階別にみると、「あてはまる(計)」と回答した親の割合は、未就学児の親では48.8%、小学生の親では49.6%、中高生の親では66.3%、大学生等(予備校生・浪人生・大学生・短期大学生・専門学校生、以下同様)の親では79.4%でした。教育費の負担の重さを感じる親の割合は、子どもの就学段階が上がるほど高くなり、大学生等の親では8割となりました。(図4)
子どもの教育費の負担を重いと感じる親の割合を過去の調査結果と比較すると2021年63.9%→2022年61.1%と微減しました。(図5)
(図4)(図5)
- 「子どもの学校生活に不安を感じる」2年連続で7割を超える結果に
全回答者(1,000名)に、子どもの将来に関する項目を提示して、どの程度不安を感じるか聞きました。
≪学校生活≫では、「不安を感じる(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)が70.8%となりました。
子どもの就学段階別にみると、「不安を感じる(計)」と回答した親の割合は、大学生等の親(75.0%)が最も高くなりました。(図6)
子どもの学校生活に不安を感じる親の割合を過去の調査結果と比較すると、2020年54.7%→2021年74.0%→2022年70.8%と、大幅上昇した昨年に続き、今年も7割を超えました。新型コロナウイルス感染症「第6波」に突入する中、親の大半は、学校行事の延期・中止が相次ぐことや、臨時休校に伴う学習進度の遅れ、学校内・通学時における感染症リスクの拡大など、コロナ禍による多数の影響や変化に対し、強い不安を覚えているのではないでしょうか。(図7)
(図6)(図7)
- 「子どものインターネット・SNS利用に不安を感じる」親の7割、中高生の親では7割半
≪インターネットやSNSの利用≫では、「不安を感じる(計)」が70.3%となりました。
子どもの就学段階別にみると、「不安を感じる(計)」と回答した親の割合は、中高生の親(76.6%)が最も高くなりました。(図8)
子どものインターネットやSNSの利用に不安を感じる親の割合を過去の調査結果と比較すると、2020年64.7%→2021年69.7%→2022年70.3%と、2年連続で上昇しました。警視庁公表資料(※)によると、SNSに起因する事犯の被害児童数は近年高止まり傾向にあります。そのような被害の状況が多くの親を不安にさせる原因となっているのではないでしょうか。(図9)
※警察庁生活安全局少年課『令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況』(2021年)
(図8)(図9)
- 「子どもの受験・進学に不安を感じる」中高生の親の8割
高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(750名)に、≪受験・進学≫についてどの程度不安を感じるか聞いたところ、「不安を感じる(計)」は75.9%となりました。
子どもの就学段階別にみると、「不安を感じる(計)」と回答した親の割合は、中高生の親(80.6%)が最も高くなりました。新型コロナウイルス感染急増を受けて、多数の自治体が「まん延防止等重点措置」の適用や適用の延長を要請する中、受験シーズンや進学準備が本格化しています。感染リスクの高まりやコロナ禍の社会不安を背景に、受験を控える中高生の子どもを抱える親の不安は尽きないという状況が続いているのではないでしょうか。(図10)
また、全回答者(1,000名)に、≪就職活動≫についてどの程度不安を感じるか聞いたところ、「不安を感じる(計)」は75.1%となりました。(図11)
(図10)(図11)
※予備校生・浪人生の親の結果はn数が少ないため参考値
- 「子どもの教育資金に不安を感じる」親の7割強
- 教育資金に不安を感じる理由 TOP2は「必要額がわからない」「収入の維持・増加に自信がない」
全回答者(1,000名)に、≪教育資金≫について、どの程度不安を感じるか聞いたところ、「不安を感じる(計)」は71.7%となりました。
子どもの就学段階別にみると、「不安を感じる(計)」と回答した親の割合は、中高生の親(75.0%)が最も高くなりました。(図12)
教育資金に不安を感じている親(717名)に、子どもの教育資金に不安を感じる理由を聞いたところ、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」(54.5%)が最も高くなりました。子どもの教育に実際どのくらいお金がかかるのか予測ができないことに対し、不安を感じる親が多いようです。次いで高くなったのは、「収入の維持や増加に自信がない」(38.8%)、「社会保険料の負担増」(25.9%)、「収入が不安定」(25.5%)、「病気やケガで収入が途絶えるリスク」(23.8%)でした。(図13)
(図12)(図13)
- 「コロナ禍で子どもの教育に対する不安が増加した」親の7割半、大学生等の親では8割
長引くコロナ禍は、家計や子どもの教育にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、家計や教育へのコロナ禍の影響について聞いたところ、≪子どもの教育に対する不安≫では「増加(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)が76.6%、「減少(計)」が23.4%となりました。コロナ禍によって、子どもの教育に対する不安が増加した親が7割半となりました。
子どもの就学段階別にみると、「増加(計)」と回答した親の割合は、大学生等の親(79.8%)が最も高くなりました。コロナ禍で対面授業がオンライン授業に変更されるなど、通常通りの教育が受けられなくなることに対し、不安を感じる親が多いのではないでしょうか。(図14)
(図14)
- 「コロナ禍で家計が悪化した」親の6割半
- 「コロナ収束後は、子どもの教育費を増やしたい」親の7割近く
家計や教育費についてみると、≪家計≫では「改善(計)」が34.7%、「悪化(計)」が65.3%となりました。
≪子どもの教育費≫では「増加(計)」が52.4%、「減少(計)」が47.6%となりました。(図15)
(図15)
≪コロナ収束後は、子どもの教育費を増やしたいと思う≫か聞いたところ、「増やしたいと思う(計)」が67.4%、「増やしたいとは思わない(計)」が32.6%となりました。コロナ禍が落ち着いたら、子どもの教育のための出費を増やしたいと考える親が多数派となりました。
コロナ禍による子どもの教育に対する不安の変化別にみると、「増やしたいと思う(計)」と回答した親の割合は、教育に対する不安が増加した親では72.2%と、不安が減少した親(51.7%)と比べて20.5ポイント高くなりました。(図16)
(図16)
- 「コロナ禍で教育資金としての備えが減少した」親の約6割
- 「コロナ禍で教育資金に対する不安が増加した」親の7割
教育資金についてみると、≪教育資金としての備え≫では「増加(計)」が42.1%、「減少(計)」が57.9%となりました。
コロナ禍による家計の状況の変化別にみると、「減少(計)」と回答した親の割合は、家計が悪化した親では70.3%と、家計が改善した親(34.6%)と比べて35.7ポイント高くなりました。家計の悪化が教育資金の準備状況に影響していると考えられます。(図17)
≪教育資金に対する不安≫では「増加(計)」が70.8%、「減少(計)」が29.2%となりました。
コロナ禍による家計や教育費の状況の変化別にみると、「増加(計)」は、家計が悪化した親では75.7%と、改善した親(61.6%)と比べて高くなりました。また、教育費が増加した親では80.6%と、減少した親(60.1%)と比べて高くなりました。
家計の悪化や教育費の増加によって、教育資金が不足することを懸念している親がいるのではないでしょうか。(図18)
(図17)(図18)
- 小学生から社会人になるまでに必要な教育資金 平均予想金額は1,377万円、昨年から111万円増加
子どもの教育のための資金について、親がどのように見積もっているか、予想金額を聞きました。
未就学児の親(248名)に、子どもが小学生から社会人になるまでに、教育資金はいくらくらい必要だと思うか聞いたところ、「1,000万円~1,400万円位」(34.2%)に回答が集まり、平均予想金額は1,377万円となりました。(図19)
平均予想金額を過去の調査結果と比較すると、2020年1,381万円→2021年1,266万円→2022年1,377万円と、昨年から111万円増加しました。平均予想金額は2020年から2021年にかけて大幅に減少しましたが、今年は2年前の2020年と同水準となりました。新型コロナワクチンの普及や新型コロナ経口薬の承認などを契機としたコロナ収束への期待感や、コロナ禍の長期化による“コロナ慣れ”、“ウィズコロナ・ポストコロナ時代”を意識した消費者心理などから、教育への支出意欲が回復したのではないでしょうか。(図20)
(図19)(図20)
- 学校外教育費の平均支出金額は14,429円/月、昨年から1,162円増加
習い事や家庭学習、教室学習などにかける費用(学校外教育費)の支出状況を聞きました。
全回答者(1,000名)に、スポーツや芸術などの習い事、家庭学習、教室学習のそれぞれに1ヶ月あたりいくらくらい支出しているか聞き、それぞれの平均支出金額を合計したところ、14,429円/月となりました。
平均支出金額の合計を過去の調査結果と比較すると、2021年13,267円→2022年14,429円と、1,162円の増加となりました。(図21)
子どもの就学段階別に平均支出金額の合計をみると、未就学児の親では8,916円/月、小学生の親では15,394円/月、中高生の親では20,580円/月、大学生等の親では12,754円/月となりました。
平均支出金額の合計を過去の調査結果と比較すると、大学生等の親では、2021年9,881円→2022年12,754円と、昨年と比べて2,873円増加しました。コロナ禍で生じた教育カリキュラムやシラバスの実質的な変更の影響などを補完するために、学校外教育にお金をかけたケースがあるのではないでしょうか。(図22)
(図21)(図22)
- 子どものこづかいの平均額 小学生では1,966円/月、中高生では5,379円/月
- 小学生の親の3割半が子どもの携帯・スマホ料金に支出
高校生以下の子どもと同居している親(747名)に、子どものこづかいや、携帯電話・スマートフォンの通信・通話料金への支出状況について聞きました。
子どもの≪こづかい≫に支出している親の割合を子どもの就学段階別にみると、未就学児の親では16.5%、小学生の親では46.0%、中高生の親では76.5%でした。(図23)
子どものこづかいに支出している親(348名)の平均支出金額は、未就学児の親では976円/月、小学生の親では1,966円/月、中高生の親では5,379円/月となりました。(図24)
また、子どもの≪携帯・スマホの通信・通話料金≫に支出している親の割合を子どもの就学段階別にみると、未就学児の親では23.8%、小学生の親では36.3%、中高生の親では84.1%でした。(図25)
(図23)(図24)(図25)
- 子どもの進学費用のための備え 平均支出金額は15,690円/月
続いて、高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(750名)に、子どもの進学費用のための備えとして、一人あたり月々いくらくらい支出をしているか聞いたところ、「0円」(29.1%)に最も多くの回答が集まったほか、「10,000円~14,999円」(17.2%)や「20,000円~29,999円」(18.8%)、「30,000円以上」(16.9%)に回答が集まり、平均支出金額は15,690円/月となりました。(図26)
平均支出金額を過去の調査結果と比較すると、2019年17,474円→2020年15,776円→2021年14,189円→2022年15,690円となり、昨年までの2年連続減少から今年は増加に転じました。(図27)
(図26)(図27)
- 子どもの進学のための教育資金準備方法 1位「銀行預金」2位「学資保険」
子どもの進学のための、教育資金の準備方法について聞きました。
高校生以下の子どもの親(748名)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備しているか聞いたところ、「銀行預金」(60.6%)と「学資保険」(42.1%)が突出して高くなりました。次いで高くなったのは、「財形貯蓄」(11.2%)、「金融投資(株式投資や先物取引など)」(11.0%)、「(学資保険以外の)生命保険」(8.3%)でした。(図28)
また、大学生等の親(予備校生・浪人生を含まない)(250名)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備してきたか聞いたところ、「銀行預金」(71.6%)が最も高く、「学資保険」(44.4%)、「奨学金」(20.4%)、「財形貯蓄」「教育ローン」「子どもの祖父母(自分の親や義理の親)からの資金援助」(いずれも9.6%)が続きました。(図29)
(図28)(図29)
- 高校生以下の子どもや浪人生の親の8割強が「大学等の学費は高すぎる」と回答
- 高校生以下の子どもや浪人生の親の8割半が「大学等の学費を無償化してほしい」と希望
- 高校生以下の子どもや浪人生の親の8割強が「給付型奨学金をもっと利用しやすくしてほしい」と希望
高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(750名)に、大学等の学費(入学金・授業料)や奨学金に関する意識について聞きました。
≪大学等の学費は高すぎると思う≫では、「非常にあてはまる」が46.7%、「ややあてはまる」が35.9%で、合計した「あてはまる(計)」は82.5%となりました。高校生以下の子どもや浪人生の親の大半が、大学等の学費は高額だと考えていることがわかりました。また、≪大学等の学費を無償化してほしい≫では、「あてはまる(計)」は85.7%となりました。(図30)
奨学金は、学生本人に学費を給付または貸与する制度です。返済が不要な給付型奨学金と、返済が必要な貸与型奨学金があり、貸与型奨学金には無利子と有利子があります。奨学金の審査における所得や学力の基準は、給付型が最も厳しく、有利子で借りるものが最も緩やかです。
≪給付型奨学金(返済不要)をもっと利用しやすくしてほしい≫か聞いたところ、「あてはまる(計)」は82.8%となりました。また、≪貸与型奨学金(無利子で借りる)をもっと利用しやすくしてほしい≫か聞いたところ、「あてはまる(計)」は81.1%となりました。給付型奨学金や、無利子の貸与型奨学金の利用条件緩和を希望する親が多いようです。(図31)
(図30)(図31)
- 「子どもに有利子の貸与型奨学金を利用してもらいたい」高校生以下の子どもや浪人生の親の3人に1人
- 有利子の貸与型奨学金の利用額についての意識 親が考える平均借入希望額は399万円
有利子の貸与型奨学金の利用意向について聞きました。
高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(750名)に、子どもに貸与型奨学金(有利子で借りる)を利用してもらいたいと思うか聞いたところ、「利用してもらいたいと思う」は36.4%、「利用してもらいたいと思わない」は46.8%、「わからない」は16.8%となりました。(図32)
子どもに貸与型奨学金(有利子で借りる)を利用してほしい親(273名)に、子どもに貸与型奨学金を総額でいくらくらい借りてほしいか聞いたところ、「100万円未満」(15.0%)や「100万円~200万円未満」(15.0%)、「200万円~300万円未満」(17.6%)、「300万円~400万円未満」(15.0%)などに回答が分かれ、平均借入希望額は399万円となりました。(図33)
(図32)(図33)
- 高校生以下の子どもや浪人生の親の4人に1人が「教育ローンを利用したい」と回答
- 教育ローン平均借入希望額は408万円
教育ローンについては、どのように考える親が多いのでしょうか。
高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(750名)に、子どものために教育ローンを利用したいか聞いたところ、「利用したいと思う」は26.0%、「利用したいと思わない」は56.5%、「わからない」が17.5%と、利用を希望する親は4人に1人でした。(図34)
子どものために教育ローンを利用したい親(195名)に、子どものために教育ローンを総額でいくらくらい借りたいか聞いたところ、「100万円未満」(17.9%)や「200万円~300万円未満」(14.4%)、「400万円~500万円未満」(14.4%)などに回答が分かれ、平均借入希望額は408万円となりました。(図35)
(図34)(図35)
- 子どもに目指してほしい“理想の大人” 有名人では1位「大谷翔平さん」
- 子どもに目指してほしい“理想の大人” アニメキャラでは1位「竈門炭治郎」
- 子どもに目指してほしい“理想の大人” 歴史上の人物では1位「坂本龍馬」「織田信長」
全回答者(1,000名)に、自分の子どもに目指してほしい“理想の大人”のイメージに合う有名人やアニメキャラ、歴史上の人物について聞きました。
有名人では、1位「大谷翔平さん」、2位「イチローさん」、3位「天海祐希さん」となりました。2015年から2021年まで7年連続で1位だった「イチローさん」を抑えて、「大谷翔平さん」が初の1位となりました(※)。
選んだ理由をみると、1位の「大谷翔平さん」については「実直で自分の目的のために真摯に取り組んでいるから」といった回答が挙げられました。メジャーリーグでの輝かしい実績だけでなく、人間性も支持される理由の一つとなっているようです。2位の「イチローさん」については「自分をしっかり持っていそうだから」、3位の「天海祐希さん」については「凛として芯があるから」といった回答が挙げられました。(図36)
※子どもの教育資金と学資保険に関する調査2015 https://www.sonylife.co.jp/company/news/26/nr_150313.html
子どもの教育資金と学資保険に関する調査2016 https://www.sonylife.co.jp/company/news/27/nr_160302.html
子どもの教育資金に関する調査2017 https://www.sonylife.co.jp/company/news/28/nr_170314.html
子どもの教育資金に関する調査2018 https://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_180125.html
子どもの教育資金に関する調査2019 https://www.sonylife.co.jp/company/news/30/nr_190228.html
子どもの教育資金に関する調査2020 https://www.sonylife.co.jp/company/news/2019/nr_200327.html
子どもの教育資金に関する調査2021 https://www.sonylife.co.jp/company/news/2020/nr_210302.html
アニメキャラでは、1位「竈門炭治郎(鬼滅の刃)」、2位「煉獄杏寿郎(鬼滅の刃)」「モンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)」「ドラえもん(ドラえもん)」となりました。
選んだ理由をみると、1位の「竈門炭治郎」については「人に思いやりを持って接することができる温かい性格だから」、2位の「煉獄杏寿郎」については「常に人の事を考えることができるから」、「モンキー・D・ルフィ」については「夢を持ち自由に生き、仲間と共に成長しているから」、「ドラえもん」については「どんな難問も独自の視点で解決するから」といった回答が挙げられました。(図37)
歴史上の人物では、1位「坂本龍馬」「織田信長」、3位「徳川家康」となりました。
選んだ理由をみると、1位の「坂本龍馬」については「時代を読む力があるから」、「織田信長」については「しっかり先の世の中を見て考え行動したから」など、いずれも先見性の高さが理由として挙げられました。(図38)
(図36)(図37)(図38)
- 自分の子どもに就いてほしい職業 男子の親では1位「公務員」2位「医師」3位「会社員」
- 自分の子どもに就いてほしい職業 女子の親では1位「公務員」2位「医師」3位「看護師」
最後に、全回答者(1,000名)に、自分の子どもに就いてほしい職業を聞きました。
男子の親では、1位「公務員」、2位「医師」、3位「会社員」、4位「エンジニア」「研究者」となりました。
選んだ理由をみると、1位の「公務員」については「労働環境が安定しているから」といった回答が挙げられました。安定した職業であることに魅力を感じる親が多いようです。2位の「医師」については「人のためになる職業だから」、3位の「会社員」については「比較的安定していて、子どもがしたいことがあると思うから」といった回答が挙げられました。(図39)
女子の親では、1位「公務員」、2位「医師」と、上位2位までは男子の親と同じ結果となりました。以降、3位「看護師」、4位「会社員」、5位「薬剤師」でした。
選んだ理由をみると、1位の「公務員」については「安定した人生を歩んでほしいから」、2位の「医師」については「たくさんの人の役に立つ職業の一つだと思うから」、3位の「看護師」については「資格があり、需要も減ることはないと思うから」といった回答が挙げられました。(図40)
(図39)(図40)
注:本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、合計しても100%とならない場合がございます。
また、属性別集計において抜粋して表示している場合は、n数を合計しても全体と一致しないことがございます。
調査概要
調査タイトル
子どもの教育資金に関する調査2022
調査対象
ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女
調査期間
2022年1月28日~1月31日
調査方法
インターネット調査
調査地域
全国
1,000サンプル(有効回答から各条件がほぼ均等になるように抽出)
(内訳)
親の性別×子の性別×子の通う学校(未就学、小学校、中学校・高校、
大学・短期大学・専門学校・予備校)で16分割、ほぼ均等割付
調査協力会社
ネットエイジア株式会社
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